暑さが残るこの時期は、じつはキッチン掃除をするのにうってつけのチャンス。とくにガンコな油汚れは、気温が高い今の時期だからこそできる掃除法があるのだそう。そこで今回は、プロが実践しているキッチンの汚れの効果的な落とし方を、家事代行ベアーズ副社長で日本の暮らし方研究家の高橋ゆきさんに伺いました。
すべての画像を見る(全6枚)キッチンの油汚れが簡単に落ちないのはなぜ?
キッチンの油汚れは、調理中に飛び散った油が、空気中のホコリや水蒸気と混ざり、酸化して固まることで落ちにくくなります。
とくに、時間が経ち、コンロやフライパンの熱で“焼きつく”と、水や中性洗剤では落とせないガンコな汚れに変化します。
ですから、ふくなら固まる前がいちばん。調理後の余熱が残っているうちにサッとひとふきする予防習慣で、油が固まる前に取り除けます。こまめな“ついで掃除”でガンコ汚れを防ぎましょう。
●キッチン掃除は気温が高い夏のうちにやるのが正解
キッチンの油汚れは、気温が上昇する夏場などは汚れがゆるみやすく、少しやわらかい状態になります。そのため洗剤やお湯ともよく混ざり、汚れが浮きやすくなります。
さらに、夏場はお湯を使わなくても水温が比較的高いため、洗浄力がアップしますし、手も冷えません。気になる油汚れは夏のうちにまとめて掃除するのがオススメ。暑い時期こそ、ピカピカのキッチンを手に入れるチャンスです。
場所別!キッチンの油汚れの効果的な落とし方
場所別に、キッチンにたまった油汚れの効果的な落とし方を紹介します。
●1:レンジフード・換気扇
調理の油汚れがたまりやすい換気扇には、重曹スプレーがオススメ。
重曹と水を1:9の割合で混ぜたものをスプレーボトルに入れてスプレーし、汚れを浮かせてふき取ります。パーツを外せる場合は、大きめのビニール袋に40~50℃のお湯と重曹を9:1の割合で入れた重曹プールでつけおき洗いを。
換気扇のお掃除の際には必ず電源を外し、ゴム手袋を着用しましょう。
無理をして分解するのは避けるべき。掃除のできる時間が限られている場合も含めて、プロの清掃業者に依頼してもいいかもしれません。
●2:ガスコンロ
ガスコンロは、毎日の“ちょこちょこ掃除”が大切です。調理後、まだ温もりが残っているうちにキッチンペーパーでサッとふくだけで、油が固まる前に落とせます。
五徳やバーナーキャップは、たまにはずして重曹プールで30分つけおきを。汚れがゆるんだら中性洗剤とスポンジで洗いましょう。焦げがしつこいときは、重曹と液体石けんを6:4で混ぜた“重曹ペースト”を塗って少しおき、使い古した歯ブラシなどのブラシでこすればスッキリ。
金ダワシは傷の原因になるのでNG。手早く終わらせたいなら、スポンジに格子状の切りこみを入れた“マンゴーカットスポンジ”を使うと、五徳の曲がった部分や溝にもピタッとはまって洗いやすいですよ。
●3:魚焼きグリル
焦げや油汚れが気になるグリルの網は、重曹プールにひたしましょう。汚れのゆるみを確認しながら30分を目安につけおきし、中性洗剤をつけたスポンジでこすります。
最後に水でしっかり洗い流せばにおいも汚れもスッキリ。ガンコな焦げが取れない場合は、重曹とハンドソープを6:4で混ぜた重曹ペーストを塗り、少し時間をおいてから、使い古しの歯ブラシなどでこすり洗いすると効果的です。
●4:シンク
シンクのステンレスは、見た目以上に繊細でデリケート。スポンジでクルクルと円を描くようにこすってしまうと、表面に細かい傷がついて水アカや汚れの温床になってしまいます。
みがくときは“ヘアライン”という研磨の筋に沿って、一定方向にみがくのがポイントです。スポンジのやわらかい面と中性洗剤を使い、端から端まで丁寧にみがきましょう。
蛇口まわりの水アカはクエン酸をスプレーしてラップで15分を目安にパックしてから洗い上げるときれいになります。仕上げに水ぶきと乾ぶきをすると、ピカピカの輝きが長もちしますよ。
●5:排水口
排水口は、食べ物のカスや油汚れなどのさまざまな汚れが付着し、ぬめりやカビ、悪臭がたまりやすい場所です。
排水口のゴミを軽く取り除き、泡タイプの塩素系漂白剤を全体にスプレーしてポリ袋へ入れます。水を少し加えてシャカシャカと20秒ほど振る“排水口シェイク”で、泡を全体に行き渡らせましょう。15分ほどつけおきしてから水で流せば、網の目につまった汚れがしっかり落ち、驚くほどスッキリします。