ボーナスの時期、なにに使うか、どう使うかと悩むこともあるのではないでしょうか。最近は住宅ローンの金利も上昇傾向にあり、「繰り上げ返済した方がいいの?」と考える人も多いはず。今回は、住宅ローンを抱える40〜50代の方々に向けて、ファイナンシャルプランナーの塚越菜々子さんがボーナスの賢い使い方をわかりやすく解説します。
すべての画像を見る(全4枚)「繰り上げ返済」って何?まずは基本をおさえよう
「繰り上げ返済」とは、毎月の返済とは別に、まとまったお金を使ってローンを前倒しで返済することです。
繰り上げ返済には、次の2種類があります。
・期間短縮型:返済期間を短くするタイプ
・返済額軽減型:毎月の返済額を減らすタイプ
たとえば、3500万円を35年・金利1.5%の固定で借りている住宅ローンを、10年目に100万円繰り上げ返済した場合:
期間短縮型では、約1年返済期間が短縮され、利息が約41万円節約できます。
返済額軽減型では、毎月の返済額が約4000円減り、利息の節約は約19万円になります。
ボーナスで繰り上げ返済、本当におトク?
金利が高い、残債が多い、借入からの年数が短い…こうした場合、繰り上げ返済の効果はより大きくなります。とくに期間短縮型は、利息の節約効果が大きいため、ボーナスで早めに返済してしまおうと考える方も多いでしょう。
ですが、繰り上げ返済=絶対におトクとはかぎりません。なぜなら、繰り上げ返済で節約できる利息は「住宅ローンの金利分」だけだからです。
たとえば、繰り上げ返済せずにNISAなどでローン金利以上の利回りで運用できれば、利息以上の利益が得られることも。
とはいえ、運用しても必ずローン金利以上に増やせるとは限りませんから、「返済か? 運用か?」は、その時点の金利や家計状況を踏まえて慎重に判断しましょう。