節約のために日ごろから「まとめ買い」をされている人も多いのではないでしょうか。一見おトクにみえるまとめ買いですが、ミニマルな暮らしにまつわる著作が多数ある、カナダ在住のブロガー筆子さん(現在60代)によると、意外な落とし穴もあるそうです。今回は筆子さんにミニマリスト視点で考えた「まとめ買い」について教えてもらいました。
まとめ買いは本当におトクなのか?
50代は年金生活が視野に入ってくる年代。少しでも節約して将来に備えたいと思うことが多いでしょう。そんなとき、頼りにしたくなるのがまとめ買いです。特売日に、トイレットペーパーや缶づめ、洗剤などを大量に買いだめすれば、通常より安く買えて「これでしばらく安心」と思えるかもしれません。
しかし、カナダで長年ミニマルな暮らしをしてきた私は、まとめ買いは人が思うほどおトクではないと考えています。
私自身はこれまでまとめ買いをしたことがなく、別に困ったこともありませんでした。むしろよけいなストックをもたない方が暮らしやすいと思います。一見おトクに見えるまとめ買いですが、じつは以下の5つのような落とし穴が潜んでいます。
1:使いきれずにムダになる
まとめ買いでよくある悩みといえば、買ったものを使いきれないことではないでしょうか。少人数世帯やひとり暮らしの場合、思ったより消費ペースが遅いもの。家族が多かったときと同じ調子でまとめ買いをしていると、在庫が増えすぎます。
実家の片付けをしたブログの読者から、「押入れから、賞味期限が何年も前にきれたカレーのルウや乾麺、ふりかけの袋、天ぷら油がいくつも出てきて、仕方がないから捨てた」というメールをもらったことがあります。これは珍しくないことです。
ものがたくさんあると、奥にしまい込んだものの存在を忘れてしまうことってありますよね。食品だけでなく、洗剤や薬、化粧品なども劣化するので、使いきれず捨てることは多いのではないでしょうか?
ストックを使っているうちに、生活環境や自分の好みが変わるし、もっといい新製品を見つけて、そちらを欲しくなることもあります。
2:管理の手間が増える
たくさん買い込むと、どこにしまい、どう管理するか考えなければなりません。「いざというときに困らないように」と考えて、ティッシュペーパーやトイレットペーパーを大量に買うことも多いですが、買えばそれらを収納するスペースが必要です。
ものは多ければ多いほど、管理に時間と労力がかかります。「まだあったっけ?」「どこにしまったっけ?」と探すのも大変です。
50歳をすぎると、重いものを持ったり、高いところに手を伸ばしたりするのがだんだん苦痛になってくるので、ものは少ないほうが自分がラクです。買いすぎなければ、なにがどこにあるのかひと目でわかるし、取り出すのも簡単ですよ。
3:使いすぎる
食品や雑貨がたくさんあると、使いすぎにつながります。「まだまだあるから大丈夫」と、おやつやスナック菓子、ビールをなんとなく手にとってしまったり、雑貨を普段以上にたっぷり使ってしまうことが増えることも。
少ないときは、「大事に使おう」という意識が働きますが、たくさんあると、もうその商品は、「大事なもの」ではなくなります。冷蔵庫や棚の中にたっぷりあれば、ついつい手が伸びてしまいますよね。