暑さと湿気が重なって、仕事や家事がより面倒だと感じる方も多いと思います。そんなときでも「よいきっかけさえ見つかれば動き出せる」と語るのは、元祖節約主婦として知られ、カウンセラーとしても活躍する若松美穂さん。ご自身のエピソードとともに、気持ちをきり替えるヒントをお聞きしました。

写真:白い花
若松さんが考える、「行動に移しやすくなる」きっかけとは?
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「しなくていいことにはならない」と考えて動く

日々、仕事に家事にと忙しく過ごしていても、なんだか元気が出なかったり、やる気が起きなかったりするときもあります。お年頃の影響もあるのでしょうか。だとしても、自分を動かすなにかしらのきっかけを持っていれば一歩を踏み出しやすいと感じています。

そんなとき思いだすのが、ある友人とそのお子さんのエピソード。当時小学生だったお子さんが、宿題をしたくないと泣いていたそうです。そこで、友人がどう対応したのか聞いたところ、お子さんにこう伝えたのだそう。「泣いてどうにかなるのならいいけれど、どんなに泣いても“しなくていい”にはならない。だから、ごねているのは時間のムダ。さっさとやっちゃいましょう」と。すると、しばらくしてお子さんが動き出したと教えてくれました。

その話を聞き、わが家でもそのフレーズをレンタルさせていただくことに。実際、「しなくていいことにはならない。どちらにしてもするのだから」という感覚がわが家でも受け入れられまして、何度も動き出すきっかけになりました。人によって、この考え方が合うかどうかは分かれると思いますが、個人的にはさっぱりとして気持ちがよいと感じています。

「どちらにしてもするのだから」という考え方は、自分自身にも当てはまることです。面倒だと言っている時間はムダ。どうせする必要があるのなら、さっさと始めます。一方で「今すぐ」や「今日じゅう」でなくてもいいことならば、ぶつぶつ言っていないで「しないこと」を選択するよう心がけています。

小さな不安や他人の知恵が人を動かす

写真:海

ときには、知り合いからの知恵や不安が人を動かす理由になることもあります。身内が引っ越しをしたとき、友人から「段ボールはゴキブリのすみかになる」と言われたのだそう。虫が苦手なその人は、その日のうちにゴミ置き場に持って行ったそうです。

そこで、のんびり屋さんのわが子が引っ越しをした際もその言葉をレンタル。「○○ちゃんが『段ボールはゴキブリのすみかになる』と教わったんですって」と遠回しに伝えました。するとのちに、「あの言葉が効いた」とひと言。

歯ブラシ掃除。ホコリはダニのエサだと思うと、掃除をする気になります。水回りにはホコリが溜まりやすいので、またか、と思うこともあります
歯ブラシ掃除。ホコリはダニのエサだと思うと、掃除をする気になります。水回りにはホコリがたまりやすいので、またか…と思うことも

もしかしたらこれを読んで、家にある段ボールや不要なものを処分しようと思う方もいらっしゃるかもしれません。あくまでも一例ですが、今後への小さな不安や、親や子、パートナー以外の言葉が自分の背中を押すきっかけになるのなら、それも悪くはないのかもしれません。