書店で売り切れ続出という、インスタグラムから生まれた話題のコミックエッセイ、『

のぞみ33歳。だだ漏れ日記

』(扶桑社刊)をご存じですか?

だだ漏れ状態で作者の大盛のぞみさんが紹介する体験談はすべて本当のこと。「合コンで毎回必ずXJAPANの『紅』を熱唱してドン引きされた話」「元カレに騙されてSMクラブで働かされそうになった話」「後日夫となる男性と初めてホテルに行ったら、赤ちゃん返りされた話」…。ハイテンションでユーモラスなタッチで描かれる、まさに「黒歴史だだ漏れ」なエピソードの数々に、思わず笑ってしまう人は多いはず。

なぜ、大盛さんは自分の恥ずかしい話を包み隠さず公にしてしまうことができるのでしょう?じつは2児の母であるという赤裸々なマンガ家・大盛さんにお話を聞いてみました。

アンチ子育てマンガ!?「育児がちゃんとできていない」作者が包み隠さず描くと…

「そもそものはじまりは、子どもの夜泣きの合間に目が冴えて、することがなくて描き始めたのがきっかけです。寝る前や皿洗いをしているときに、よく昔のことや黒歴史を思い出すので、衝動のおもむくまま描き殴りました。そうしたら意外と反響があって…。いろんな人に笑ってもらったり慰めてもらったり共感してもらったりすることで、自分の傷が癒えてる感じがします。ヒーリング効果抜群ですね」

書籍化の話がきたときは、「新手の詐欺だと思った」そう。

「まさか本当に本になるとは思わなかったので、感動しました。下手な絵と下品な内容につき合っていただいているフォロワーさんと編集者さん、そしてこの内容を世に出していいと言ってくれた家族に心から感謝しています」

著書には、ご家族とのおもしろエピソードも満載。たとえば、お子さんの誕生日会の片づけで砂糖壺を床にこぼしてしまい、のぞみさんがこっそり舐めているのを、同居する義母に見られて心配されたというエピソードが出てきます。

夫の赤ちゃん返りまで赤裸々に!個人情報だだ漏れマンガ家が描き続けるわけは?
お義母さんからは「お願いやけんマトモになってくれんかな、のぞみちゃん! もう戦後50年以上経っとるから、砂糖はどこでも買える!」と言われたそうです
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「あれはつい、“もったいない”のほうが勝ってしまったというか。おいしく舐めてしまいました。結構な量、舐めましたよ。100gくらいかな。甘かったですね。この手の失敗談を寝つかせの絵本代わりに話すことがありますが、子どもたちは大笑いしたり、心配したり真剣に聞いてくれます。正直、子育ては全然丁寧にやっていません。適当です。私、ほかの人の子育て漫画を見ると、自分の至らなさにガックリくるんですよ。ちゃんとしたお母さんになりたいけど、自分には無理だなあって。でも、そんな私の背中をみて、多少の失敗を恐れない大らかな人に育ってくれたらいいと思ってます」

たしかに“ちゃんと”していないけど、肩の力の抜けた大盛さんの育児なら、伸び伸びした子が育ちそう。なんでも子どもに話してくれる赤裸々な姿こそが、じつは理想的な親子関係を築くのに近道なのかもしれませんね。

そんな大盛さんの連載「子育てマンガ」がいよいよESSEonlineでスタートします。

「まったく参考にならない子育てマンガになると思いますが、私は普通の人よりいっぱい失敗もしていると思うので、『こんなアホがいるのか』という生暖かい気持ちで見ていただきたいなと思います。失敗をたくさんしてきた自分だから、子どもに求めるハードルもきっと高くないんじゃないかと思うんです」

のぞみプロフィール
大盛のぞみさん

●答えてくれた人 【大盛のぞみさん】

Instagramに@imoootjya名義で投稿した“ほっこり下品”な手描き漫画が、今いちばんポップな闇漫画として大きな反響を呼ぶ。フォロワー数は約8万人。岡山県に暮らす2児の母。初の著書『のぞみ33歳。だだ漏れ日記

』(扶桑社刊)が発売中。