3.:外観の横の壁を長くして、部屋を奥まった配置に
すべての画像を見る(全9枚)3つ目は、外観の横の壁を少し長めに設計し、室内の一部を奥まった配置にしたことです。この横に長くした壁のことを「袖壁」(そでかべ)といいます。建物の柱や壁から垂直に突き出した幅の狭い壁のことを指し、主に目隠しや空間の区切り、デザインのアクセントとして設けられます。
わが家は隣家との距離がそこまで広くないため、窓越しにお互いの生活が見えてしまうことが心配でした。設計する時は他県に住んでいて、隣家の窓の位置などもしっかり確認できず…。
そこで、設計士さんの提案で、リビングの横は袖壁にして、建物からはり出すように伸ばし、その影になる位置に窓を配置。これにより、隣家の窓がこちらから見えなくなり、結果としてお互いの視線がぶつからないようになりました。
さらに、外壁に凹凸ができたことで、外観にも奥行きが生まれ、のっぺりとした印象を避けることができました。デザイン的にも気に入っています。隣家の窓が気にならないので、カーテンをあけたまま気ままに過ごせるのが、いちばんうれしいところです。
これらの3つの工夫を設計段階から盛り込んだことで、わが家は視線ストレスの少ない快適な住まいになりました。
家を建てる前、リフォームする前に「どう見えるか」「どう見られるか」を一度立ち止まって考えてみることは、住んだあとの暮らしが心地よくなるかどうかに、かなり影響すると思います。
じつは「玄関前に目隠しになる壁があると、人目が気にならず快適よ」と教えてくれたのは、先に家を建てた経験のある母でした。そこから筆者も見え方を意識するようになり、今の間取りがあります。
私の母がヒントをくれたことと同じように、この記事がこれから家づくりをする方や、間取りを見直したいと考えている方のヒントになればうれしいです。