ついついスマホに手が伸びてしまう朝の時間。できることなら有効に使いたいもの。成人した3人の子を持ち、現在はひとり暮らしをしている著述家の中道あんさんは「今の自分」と向き合うことで、朝のルーティンを継続できていると語ります。中道さんが実践している朝の習慣と、心のもち方について教えてもらいました。

中道あんさん
中道あんさん
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早起きに失敗しても焦りすぎない

朝、目が覚めて最初に考えるのは「今日はなにから始めよう?」という問い。

でもこの問い、意外と重たい。自由なはずの朝なのに、なにをしようか迷っているうちに、ついスマホに手が伸びて気づけば30分…。なにも始まっていないのに、少しだけ疲れてしまう。

これってもしかすると、“選択疲れ”だったのかもしれません。そこで私は、朝のルーティンを「決める」ことで選択を減らすことにしました。

「早起きは三文の徳」と言われているように、早起きすればそれだけ時間を有効に使えます。けれど、どうも私は早起きが苦手です。本当はあとあとのことを考えて6時半に起きたいのに、実際は7時をすぎることが多い。

そんなとき、以前までは少し寝坊をするだけでも焦りが出ていました。しかし今は「そんなに急がなくたって大丈夫」と自分に言い聞かせるようにして、目覚めの日課に取り掛かります。

ゆるく続ける朝の30分ルーティン

自宅でヨガをする女性
※画像はイメージです。(画像素材:PIXTA)

日課の内容はとてもシンプル。朝ヨガ10分、腕立て伏せ10回、腹筋ヨガ3分、そして5分だけの瞑想。大事なのはがんばらないこと、継続を目標にすることです。

週1で通っているピラティスでは、今年から腕立て伏せがプログラムされました。ところが、いざ腕立て伏せをしたら「腕が折れる」という謎の恐怖心があって上手にできないのです。

一方、私よりも少し年上のN子さんは、90度に曲げた肘を体に密着させながらかかとから頭まで一直線の美しいフォーム。

ずっと一緒にトレーニングをしてきたけれど、いつの間にか私にはできないことが増え、彼女との差は開くばかりです。トレーナーにコツを丁寧に教えてもらい、腕は少し曲がるようになりましたが、週1のトレーニングでは彼女には到底追いつけないと思い、家でも練習することにしたのです。

朝10回ゆるく腕立てをやっていくうちに、ずいぶん深く腕を曲げられるようになってきました。自分の限界を超える負荷をかけていくと、もっと早くできるようになるでしょう。

でも、ストイックなことは続かない。“がんばる”より、“ゆるく続ける”ことを選んでみたら、この時間がいい感じに自分を整えてくれるのです。時間にすると30分くらいでしょうか。最後に5分間の瞑想をするようにして、いろいろ考えてしまいがちな脳をスッキリさせてから1日が始まります。