お元気シニアの代表として、90歳になった現在でも団地でひとり暮らしを続ける多良美智子さん。年を重ねるごとに団地暮らしのよさを実感するといいます。ここでは、多良さんの著書「90年、無理をしない生き方」(すばる舎刊)から、団地への思いを抜粋してご紹介します。
すべての画像を見る(全4枚)60年前の団地暮らしを振り返って
九州にいたときから団地に住んでいました。
今から60年以上前のことですが、当時の団地はダイニングキッチンや水洗トイレなどの設備がある、最新の住まいでした。人気があったのでたくさんの応募があり、当選しないと入居できませんでした。「家族が◯人までは◯DK」など条件が厳しく決まっていて、前年度の給与明細など提出する書類もたくさんありました。
私たちも最初は落選し、補欠でした。でも、運よく繰り上げ当選になって、どうにか入ることができたのです。家賃は8000円くらいでした。
その後、神奈川県に引っ越してきて、同じ公団の団地に入居できました。同じような広さと間取りでしたが、家賃は1万2000円に値上がりしました。お給料も上がったので、どうにか生活できましたが、最初は、お給料のなかで家賃が占める割合が高くて、けっこうきつかったですね。