120日の入院費の総額に感じた不安

ベッド
小笠原さんの自宅の寝室
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さて退院時に病院に支払った入院費はといえば、約30万円でした。ぎりぎり支払えない金額ではないものの、完全無欠の節約主義である私は、それを支払うのがどうにも無念な思いでした。入院当初は、いつ退院するか、つまりいつ支出しなければならないかわからなかったこともあり、ベッドの中でもんもんと金策を練っていました。

緊急時にしか手をつけない金融機関の預金口座から引き落とすしかなかったのに、早く金銭問題から心理的に逃れたくて、まずは遠地の金融機関から近隣の銀行へ送金依頼をしようとしましたが、その手続きに必要な印鑑も持ち合わせていなかったのです。些細なことでも、病人には大きな不安感を与えるものですね。

●リハビリ病院へ転院したらさらにお金がかかっていた…

入院費のほか、手術後のリハビリにもお金がかかりそうでした。ほかのリハビリ専門病院に転院して行うのが通例だそうで、私もそれを薦められましたが、保証人がいない私の場合、受け入れてくれる病院もほとんどなかったのです。それでも一院見つかったとの連絡を受けたものの、その病院で、さらに数十万円かかると聞きました。

この悩みの最中、たまたま見舞いに来てくれた友人に、思わず吐露すると、見舞金として出資してくれたのです。その心遣いと行為に驚嘆しながら、どんなに感謝したことでしょう。それでもリハビリ病院への転院は、経済的負担を減らすため、自宅でのひとり暮らしの中で遂げたかった私は、120日後に直接自宅へと退院しました。

入院中の院内で、夜となく朝となく人知れず、無理して患足に体重をかけながら歩行練習を重ね、歩行器なしでなんとか歩けるようになった私は、リハビリ病院行きを免れたわけです。

結局予想以上に入院が長引いたこともあり、入院や治療に関する全費用を時間をかけて捻出することができました。友人からの見舞金も、退院後の一般タクシー代に当てるなどありがたく使わせてもらいました。早くお礼をしなければいけませんね。

それ以外に費用と申請したお金のこと

パソコンを打つ女性
仕事をしているときの笠原さん

ちなみに入院費のほかに、私が支払った高額なものは、術後の歩行に必要だった患足に装着する固定具費が15万円。着替えの洗濯ができないひとり暮らし患者に必要な衣料のレンタル代が5万円。前者は保険適用なので申請しましたが、還付されるまで数か月かかるようです。高額医療費は確定申告で申請中です。

なお退院直後の私に求められた、医療に関するその他の事後処理は、介護保険を申請する手続きや、地域支援センターの担当者との話し合いでした。これらをひとりで処理していくのは、精神的荷も負担が大きいものではありましたが、たとえば医療器具が必要な場合などは、支援センターを介して、松葉づえや歩行器など必要に応じてレンタル(有料)することができました。そうした公的なサービスは、単身者にとっては安心感を与えてもらえるものだと思いました。

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