閉経が近づいているサインって?

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――早い人では45歳、遅い人は56歳…。「いつ閉経か?」なんて、ドキドキしてきます。

「閉経が近づいた分かりやすいサインは生理不順です。これも個人差がありますが、一般的な兆候としては、生理周期が少しずつ早まり、28日周期だった人が24日や21日周期と短くなります。これは、女性ホルモンの分泌が減ってくる卵巣に対し、脳が『女性ホルモンをもっと出すように!』と司令をどんどん出すため、卵巣があせって生理を早めるからです。最初の頃こそは生理は早まるのですが、次第にそれもできなくなり、生理の間隔が開いてきます」

――いくら脳に命令されても、卵巣は女性ホルモンが出せない…。要は「ない袖は振れん!」的な感じになるわけですね。

「そうです。3か月生理がないと思ったら、次からポンポンポンと規則的に来て、また飛び飛びになるなど、短かったり長かったりをくり返します。そのうち、卵巣機能が停止し、やがて完全に生理が来なくなります」

――生理の量も変化しますか?

「子宮内膜がはがれて出血したものが外に出てくるのが生理ですが、その量も一概にどんどん減ってくるとはかぎりません。更年期はホルモンバランスも大きく変動するため、ちょろちょろとしか出血しないときもあれば、たまりにたまった経血がドーンと出るときもあります」

――「もう少しで閉経かな?」と思っている時期にドーンときたら…と思うと、不安で外出もままならないかもしれません。周期が乱れる時期だからこそ、余計に生理が終わる時期を早く知りたいです。

「よく『血液検査で女性ホルモンの量を測って欲しい』とお願いされることがあります。もし血液検査で女性ホルモンの量が少なければ、閉経と判断できるはずでは? と考えてのことだと思いますが、必ずしもそううまくいきません。なぜなら、閉経間近の更年期は、脳が卵巣に対して『女性ホルモンを出しなさい!』と、過剰に命令をしているからです。実際に血液検査をしてみると、通常とは桁違いの女性ホルモンが検出されることもあります。逆に女性ホルモンがほとんど検出されなくても、3か月~半年ほど経って、忘れた頃に生理が来た…なんてこともあるくらいです」

――更年期は、女性ホルモンのアップダウンが激しい時期だから、ホルモンの値だけでは閉経の判断が難しいんですね。

「更年期とは“ホルモンが出ない”のではなく、“ホルモンが出にくいけれど、ときに過剰に出てしまう、ホルモンの波が激しくゆらいでいる時期”といえます。そのため『1年間生理がなければ閉経と定義する』とされており、要は未来から過去の診断をするため、閉経の判断はとても難しいのです」

閉経のタイミングは人それぞれ。ウワサに惑わされないで

前向きなイメージ
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――女性は、卵子の数は生まれつき決まっていると聞きます。初潮が早かった人ほど、閉経は早いのでしょうか?

「これは必ずしも正しくはありません。たしかに女性は、卵子の元である原始卵胞をもって生まれてきます。卵子の数は生まれたときが最も多く、時間の経過とともに減り、枯渇すれば閉経となります。その減少のスピードに個人差があるということだと思いますが、初潮が早い人ほど閉経が早くなる…ということではないようです。冒頭で江戸時代に比べて閉経は遅くなっていると言いましたが、初潮年齢は現代より遅かった、つまり“生理がある期間”が延びている傾向があります」

――逆に排卵が少なかった人、たとえば排卵の回数が少ない多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん※)やピルで排卵を止めた人などは、閉経が遅いのでしょうか?

「これもよくある勘違いです。排卵が少なかった人ほど閉経が遅くなるわけではありません。排卵数で閉経が左右されるとしたら、たとえば20歳から30歳まで10年間ピルを使って排卵を止めていた人であれば、閉経は10年長くなる計算ですが、実際にはそうではありません。初潮の年齢も、排卵の多さも、閉経の遅速とは関係ないようです。だれでも必ず閉経を迎えるので、『そういうものなんだ』と心構えをしつつ、気になることがあれば病院へ。相談できる婦人科のかかりつけをもっておきましょう」

※ 多嚢胞性卵巣症候群:排卵障害によって、生理不順とともに卵巣内に卵胞がたまって見える状態