日本人は避けがちなのにフランス人には人気のある物件
すべての画像を見る(全4枚)ドラマの「エミリー、パリへ行く」のエミリーが住んでいたのは、ステキな建物の最上階、フランス語でchambre de bonne「メイド部屋」と言われる部屋でした。かつて19世紀に、裕福な家族が雇っていた家政婦は雇い主と同じ建物の最上階の屋根裏部屋に住んでいたのですが、それを改造したアパルトマンが今はとても人気です。
パリの比較的新しい建物にはエレベーターがついていますが、古い建物でエレベーターなしの物件も多くあります。建物の5階や6階に階段で毎日上り下りしなければなりませんから一苦労ですが、エレベーターつきの物件よりも安いことが多く、眺望もよいのです。
そのうえ、屋根裏部屋の物件は天井高が180cmに満たないところは公式な面積に入れてはいけないという法律(la loi CARREZ)があるので、斜めになっている屋根の部分が面積に入っていません。表示の面積よりも実際はかなり広く感じることが多いようです。歩くことをいとわないパリジャン、パリジェンヌは喜んで屋根裏のロマンチックな物件を選びます。
やっとの思いで見つけたアパルトマンは自分の城
そうやって見つけた貴重なアパルトマンは、どんなに小さな部屋でも人を呼ぶことが好きなフランス人によって自分の城として美しくコーディネートされます。広くなくても、住人が大切にしながら住んでいるアパルトマンを訪れるのが私は大好きです。