わが子との旅行なら安心して楽しめる
すべての画像を見る(全5枚)非日常を味わう意味では、外食よりさらにワクワクするのが旅行です。高齢になると、どうしても足腰が弱くなり、長距離の移動に不安を感じ、自分で計画を立てて旅行に出かける意欲は失せていきますが、息子や娘が連れていってくれる旅行なら、親も安心して楽しめるはずです。
私の例をお話ししましょう。父は若い頃から地元の幼なじみの友人たちと温泉旅行を楽しんでいました。しかし高齢になるにつれ、病気になる人や亡くなる人もいて、旅行も途絶えました。
それで今度は私が旅を企画。私と妻、それぞれの両親を連れての家族旅行です。群馬県沼田のリンゴ園でリンゴ狩りをして、温泉旅館で一泊するのが、毎年恒例のイベントになりました。父はそれをとても楽しみにしていて、晩年まで旅行を続けました。
旅行に連れてってもらうのを楽しみにしている親は多いと思います。近場の温泉や観光地など1泊程度の小旅行でいいので、ぜひ企画してみてください。
●親を旅行に誘う際、注意したいのは…
ただし、サプライズはおすすめしません。高齢者は突然の出来事への対応が苦手です。うれしさより、驚きが上回ります。親のリクエストを聞いて、行き先を決めましょう。
重要なのが、親の心配事を事前に解決すること。トイレがどこにあるか、歩く距離はどの程度か、浴室に手すりがあるか、旅館や観光地に車椅子の用意があるか、など必要に応じて旅行前に調べて問題がないように準備をします。
なお、移動中にトイレの心配をしなくていいように、予防策として尿取りパッドを使用してもらうと安心です。
高齢の親との旅行は準備が大変な面もありますが、子どもの頃、親に海やキャンプに連れてってもらったとき、親もいろいろ準備してくれたのです。過去の思い出に感謝しつつ、恩返ししましょう。
今回は、高齢の親が快適に暮らすためのコツについて紹介しましたが、このほかにも、田中さんの新刊『親への小さな恩返し100リスト』(主婦と生活社刊)では、離れて暮らす高齢の親に幸せな晩年を送ってもらうために、家族ができることについて紹介しています。
※ この記事は『親への小さな恩返し100リスト』(主婦と生活社刊)より一部抜粋、再構成の上作成しております。
