「人生の幕は突然降りる」ことを忘れてはいけない
人は死んだらどこへ行ってしまうのだろう。何度も何度も繰り返し考えてきた答えのない問い。いつか自分が死ぬときがきたらわかるのでしょうか。
魂の行方は生きている限り永遠のテーマではありますが、今私の中では1周まわって死んだら「無」なのかもしれない。そんなふうに落ち着いています。
ここにある悲しみは、置いてきぼりにされた寂しさから生まれてくるようです。「まだあなたはもう少しそっちでがんばって成長しなさい」と言って手の届かない場所へと卒業していった大切な人たち。
彼らとともに過ごした、珠玉の時間が私の人生を豊かにしてくれたことに感謝しかありません。
涙を流しながら大笑いしたあのとき、あの瞬間の記憶が薄れてしまわぬように、日々手を合わせて祈ります。生きている限り、私の中で輝き続ける大切な存在は色あせることなく、ともにいてくれると信じています。幕はある日突然に降ろされる日が来るやもしれないことを、考え感じる年齢となりました。
山城新伍さんに学んだ「今を生きる」意味
あらためて「命」を思うとき。喪失感や不安、孤独、さまざまな感情が湧きあがりますが、地に足をつけて前進することを諦めないのであれば、ひたすら「今を生きていこう」。そう心に念じています。目の前に起きているほんの些細な出来事にも隠された意味があるように思います。
すべての画像を見る(全6枚)2009年にこの世を去った俳優の山城新伍さんが、意識の薄れゆく中で、私にくれた最後の言葉は「麻衣ちゃん、すべては奇跡。奇跡なんだよ」。
そう何度も何度も繰り返し伝えてくださいました。
出会えた奇跡。ともに過ごした奇跡。同じ場所で同じ景色を見ることができた奇跡。今日という日は2度と戻っては来ないことを肝に銘じて、しっかりと時を重ねていこうと思います。