4:否定形を使わない、肯定形を意識する人づき合い

はがき
読者からの手紙も大切にとってある。「クリスマスの日づけのハガキをいただいて、クリスマスにだれかに手紙を書くってすてきだなと思いました」
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終活では人づき合いも見直し。電話が苦手で、メールや手紙を好む石黒さん。自分と同じタイプの友人とのつながりを密にするようになりました。「コミュニケーションの取り方の得手不得手で疎遠になっていくこともあるのですね」

もうひとつは、否定形ではなく肯定形の言葉を使うように意識していること。そうすると、自然と気持ちのよい時間が過ごせます。

「肯定形で考え、話し、書く生き方です。電話よりメールや手紙でのコミュニケーションを選ぶのは、否定形で書いてしまった文章を肯定形に書き換えることができるからです」

5:毎年、更新していたエンディングノートはいったん白紙に

エンディングノートは毎年、誕生日に書き換えていました。書かれていた内容は、「私が死んでもだれにも知らせないで」とか、大事なものの所在や、銀行の情報、「〇〇は△△さんへあげて欲しい」という形見分けのリストなど。

端的に箇条書きにして、家族への引き継ぎノート的な位置づけのものでした。書くことで、いまの暮らしのありようを見渡すきっかけにもなっていました。でも、終活をしようと思ったときに記録は破棄して一度リセット。「終活が完了した時点で、書き残す内容にも変化が出るのでは? と思っています」

6:暮らしの楽しみが、人生を豊かにしてくれる

花
庭に咲いていたムスカリとスノーフレークをキッチンにひと挿し

終活に入り、ますますすっきり身ぎれいな暮らしを送る石黒さん。毎晩、ベッドに入り「明日はなにをしよう?」と考え、「机の引き出しの整理をしよう」などと決めると、すっと眠りに入るのだそう。どこかへ出かけようとかそんなことではなくて、家の中のことがほとんど。

人にとっては小さなことかもしれなくても、石黒さんにとってはお楽しみで、その小さな楽しみの連続が暮らしを彩っています。そして暮らしのなかで見つけた気づきを、文章にして発信するのも喜びのひとつ。「だれかのために自分のできることをする。そんなことで私の人生は十分に楽しい」

 

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