冷えと深い関係がある「睡眠」。質・量ともに十分な睡眠がとれていないと血流が滞り、冷えやすくなります。そのため、寒くて眠れない日ほど、寝室の温度や寝具、ナイトウエアなどの睡眠環境が大事になります。ここでは、ぐっすり眠るテクニックを、快眠セラピストの三橋美穂さんに聞きました。
すべての画像を見る(全2枚)更年期世代の女性が「睡眠トラブル」を抱えやすい理由
若い頃はぐっすり眠れていたのに、年齢とともに眠りが浅くなり、悩みが増えてきたという女性が多いそう。三橋美穂さんが、その理由を次のように話します。
「睡眠時間は加齢により短くなるのが一般的です。加えて、女性は更年期を迎えると、女性ホルモンの低下から自律神経が乱れて、眠りの質が低下。睡眠に悩みを抱えやすくなります」(三橋さん、以下同)
とくに気温が低下する冬は、手足が冷えて入眠に時間がかかるため、睡眠時間がより短くなりがち。
「就寝中は成長ホルモンが分泌され、細胞の修復が行われる大切な時間。それが減ると、太る、肌が荒れる、イライラする、疲れが取れないなど心と体にマイナスなことばかり。また、更年期になると頭はのぼせるのに手足が冷えるような症状もみられます。
それで眠れないときは、頭は布でくるんだ保冷剤で冷やし、足元は温める『頭寒足温』の対策を行ってみて。このように、少し意識するだけで睡眠の質を改善できるんです。睡眠環境を見直して、質・量ともに満足のいく眠りを手に入れましょう」
冬でもぐっすり!正しい睡眠環境のつくり方
寒い冬でも快眠できる、室温や寝具、ナイトウエアの正解を教えます。
●室温・湿度:暖房と加湿器の併用で暖かい部屋をキープ
冬は室温18~23℃、湿度40~60%が理想的。冬は布団の中と外で温度差が大きく、ヒートショックの危険性もあるので、寒冷地では就寝中も暖房をつけて18℃以上を保ちましょう。
●寝具:毛布のサンドイッチで寒さを寄せつけない
冷気は下にたまるので、毛布を活用して保温効果を高めるのがコツ。敷布団の上に毛布を敷いて横になり、羽毛布団、毛布の順にかけましょう。布団を何枚も重ねると、寝返りが打てないので注意して。
●照明:わずかな光でも眠りを妨げるので注意
光には覚醒作用があるので、寝室の照明はオフに。豆電球の光でも睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑え、眠りに悪影響があります。
●ナイトウエア:3つの首とおなかを冷やさない工夫を
冬でも睡眠中に汗をかくので、吸湿性が高く、肌触りのいい素材を選びましょう。ネックウォーマーやレッグウォーマー、袖がすぼまったナイトウエアなどを駆使して太い血管が通る首・手首・足首とおなかを守り、しっかりと防寒を。
『正しい温活』(扶桑社刊)では、このほかに1分でできる寝落ちヨガや、日中や寝る前に行うとよい快眠習慣などを紹介しています。ぜひチェックしてみてくださいね。