5:レジ係から声がかかったらレジへ進む
すべての画像を見る(全9枚)会計はあいているレジで行うことになりますが、お決まりのかけ声が「Siguiente(シギエンテ)!」。これは「次!」という意味で、レジ係からこのかけ声があったらそのレジへ進むことができます。たとえレジがあいてもかけ声の前に行くと、「まだまだ戻って!」と、待機の線まで戻らされることも。
レジ係は急に電話したり集計したり仲間と会話することがあり、タイミングはレジ係のペースがいちばん大切なんだそうです。
6:レジでは、商品が少ない人に順番を譲る場面も
レジに並んでいると目の前の人から「よかったら先にどうぞ!」と声をかけてもらうことが頻繁にあります。後ろの人の品数が自分よりずいぶん少ないと先に回してくれる配慮で、私も心がけるようになりました。
「そう? ありがとう!」「急いでないから後でいいわよ!」と入れ替わりは臨機応変ですが、気持ちのいい譲り合いがあり、私が好きな日常のひとコマです。
7:袋づめの場所がない
袋づめは自分で行いますが、じつはそのための場所はありません。商品がスキャンされるとレジの向こう側へ積まれ、それを自分でつめるのですが、その最中に合計金額を言われ、支払いをしなけければなりません。もたもたしていると次の人の商品が迫ってきて、なかなか焦る作業です。
こんなにスピード感が求められることを皆はどうやってこなしているのか? 周りをよく観察してみたのですが…品物がどんなに積まれても、のんびりとレジの人と世間話をし、後ろの人が笑いながら前の人の手伝いをし、だれひとり焦っている人がいませんでした。周りを気にせず自分のペースで大丈夫なんだそうです。
各スーパーマーケットは、日曜日や祝日は閉まっている店舗が多く(観光客の多い中心地は例外)、また閉店時間の30分前には片づけが始まり、10分前にはお店の中にいるのも申し訳ない空気になってきます。従業員がいっせいに帰りたいので閉店直前のレジは異常な速さで進み、まるでゲームのように楽しげに片づけている店舗もあります。
でもたとえギリギリに滑り込んだとしても、レジでは「やあ! 元気? 今日は会えないかと思ったよ!」なんてリップサービスも忘れません。
節度をわきまえながらも不思議なゆとりを感じるスペインのスーパーマーケット。私もいつの間にか、レジでの袋づめに焦ることはなくなりました。