ともに年を重ねるかけがえのない存在
すべての画像を見る(全14枚)ケーキを食べてからは、犬とうたた寝をした。YouTubeで「疲労回復 ストレッチ」と調べて実践したりサプリ飲んだりしてるけど、犬とぐうたら惰眠を貪る時間がいちばんの薬になる。
記念日前日のシャンプーは私個人の習慣だが、犬にまつわる家族単位での習慣がひとつある。犬は毎日朝と夕方と2回散歩に行っている。うちは曜日当番制ではなく基本的にそのとき行ける人が行く。
だれかが犬の散歩に行って帰ってきて、ほかの人に会わないまま犬を残して外出するときもある。するとほかの人がやってきて犬の散歩がまだやと思い、二度目の散歩に行ってしまう。だから散歩ずみであるのを知らせるために台所に置き手紙をするのだ。
置き手紙がないと本当に困る。犬はNOを示さず、初めての顔で2回目の散歩にウキウキで行くので分からん。
担うパーセンテージに差はあれど、たしかに北田家全員で犬の暮らしを築いた10年であった。みんなが犬の世話をして、そして犬がみんなの心をなぐさめた。
個性が強くばらばらな家族であるが、犬が集合場所になっている。みんな犬が大好きだ。
昔、犬の雑誌でinubotを取り上げてもらった。母も犬の魅力を引き出してくれた誌面を見て喜んでいたが、ふと写っているわが家を見ると、「なんてボロボロの家や」と笑って言うので、私もつられて笑った。
母自身が生まれ育った家である。卑下する言い方ではなく、自分の家を客観視する機会ってそんなにないので、あらためて思ったのだろう。家は私が生まれる前からすでに存在し、今もともに年輪を重ねている。犬も人間も、家もしっかりと老いている。さらにここから10年、15年、20年と、この家を舞台に、犬と生活をやっていく。