ものを手放し、小さく暮らす方が増えています。2024年元日に起こった能登半島地震をきっかけに、心境と価値観の変化から「捨て活」を始めたのは、石川県の築35年の賃貸マンションで夫婦ふたりで暮らす深尾双葉さん(40歳)。ものを手放す度に家の中も自分の心も軽くなり、暮らしの豊かさがぐっと増したそう。ここでは、深尾さんに捨ててよかったものについてお聞きしました。
すべての画像を見る(全5枚)「捨て活」で家のものを半分に減らした
実家を出て1人暮らしを始めるタイミングで、たくさんの家具と本、器などを持ってきたため、元々持ちものが多く、収納からあふれるほどの物量を所有していました。
今年の2月に本格的な「捨て活」を始めてからは、家のものを半分ほどまで減らしました。詳しくは数えていませんが、数にすれば小さなものから大きなものまで合計600点位のものを手放したと思います。
好きなものだけを持つということを意識していたつもりですが、心のどこかでものはあればあるだけ幸せという考えが染みついていたように感じます。その結果、本当に好きなもの以外も所有することとなり管理が大変な状態になっていました。
ここでは、「捨て活」で手放したなかで、とくに捨ててよかった、管理がしやすくなった、と感じているものを3つご紹介します。
●1:好みから外れた服と靴
まず、好きでは無いのに手元に残していた服と靴を手放しました。
元々は着物を含めると80着ほど所有していたかと思います。それを3分の1まで減らしました。主に黒と白以外の色味のある服、柄物、好みの変わったもの、買ったときに高かったからという理由だけで取っておいた服、使用頻度の低い靴を手放しました。
また、ベッドルームに置いていた大きなオープンキャビネットを手放したことをきっかけに、和室に置いていた引き出しつきのキャビネットをベッドルームに移動させました。これで、衣類の管理が格段にラクになりました。
和室に置いていたキャビネットには下着やパジャマ、タオル類を入れています。ベッドルームにクローゼットがあってそこで着替えるのですが、和室に下着類があるので以前はベッドルームと和室を行ったりきたりしていました。家族からも毎朝、使いづらいと苦情を言われていました。
同じ用途のものが離れた場所にあると管理が難しく、全体の服の数も把握できていない状態だったのです。
好きではない服を手放したことで、家の中にあちこちに置いていた衣類が1つの部屋にコンパクトにまとまり、全体の管理がしやすくなりました。
●2:読まずに仕舞い込まれた本
本を収集するクセがあり、以前は本棚から本があふれてお手上げ状態でした。そこで、「過去を振り返らず、これからのことを考えて自分に必要となる本だけ残す」と基準を決め、大きな本棚1つと手持ちの本を半分ほどを手放しました。
手放した本は以前の仕事で使っていた美術関連の本、料理本、集めていたインテリアの雑誌、文庫本エッセイなどです。途中までしか読んでいない本も半分くらいあったと思います。なかには買って満足した未読の物もありました。
基準を決めたことで、今まで強い執着を持っていた本のほとんどを手放すことができました。
本は金沢の信用のおける古本屋さんに毎回引き取りに来ていただいてます。