子育て中の親に、イライラはつきもの
すべての画像を見る(全3枚)およめちゃんが、幼子に「〇〇しなさい」と怒鳴っている姿は見たことがありません。イラついて、ほかの家族に当たったり、その場を放棄することはあるけれど、これが正解です。こういうことができるために、私たち家族がいるんです。私は、イラつく彼女に同情し、彼女がうんざりして脱力し始めたら孫を受け取ります。
子どもは言うことを聞きません。それが仕事だからです。脳は、この星のありようを知ろうとしています。目についたものに触り、やりたいと感じたことをやってみます。「やるな」と言われれば、当然やります。なにが起こるか知りたいからです。
それは、脳の構造から言えば28歳まで続きます。
その子どもを、一度の失敗もなく正しく導こうとして、親は焦ります。それが親の本能だから。かくして、子育て中の親にイライラはつきもの。要は、そのイライラをどう処理するかです。
よその子と比べない、世間体を言わない
ワンオペ育児のママたちが、その場から逃げ出せないことに、心から同情します。彼女たちに必要なのは、イライラを“放電”させてくれる相手。そして、自分を取り戻す、ひとりの時間をもらうこと。
そんなワンオペ育児のママ以上に、よその子と比べたり、世間体を口にする親(子どもの祖父母)をもつママには、もっと同情します。イライラをさらに加速させられるということだから。最近は若々しい60代70代も増えています。“若々しい”ついでに「親のような気持ち」で孫を抱く祖父母もいるように見えます。
・他人の子や世間と比べて劣っていることを心配する
・親のしつけに意見する
・親以上に世間体を気にする
―これらは、いまだなお「親」のステージにいる祖父母たちの言動。「世間体を気にしてしつけをする」のは元来、親の役目で、しかも、21世紀には、やや控えめにしていくべきこと。祖父母の役割は、親をリラックスさせて、ブレーキをかける役どころなのに。
よその子と比べるのは、「孫を褒めるとき」のみ。親がよその子と比べて、孫のできないことを心配しても、それに乗っからないことです。
脳科学者である黒川さんの孫育ての様子をつづった書籍『孫のトリセツ』(黒川伊保子著・扶桑社刊)では、ご自身が孫と接する際に心掛けている習慣や工夫を紹介。孫の脳を活性化させる日常習慣や声かけ方法はもちろん、子ども夫婦との距離感や祖父母の心得などについて掲載しています。