体重は同じなのに体形が変わった、やせにくくなった…。思い当たる方は、タンパク質が不足しているかもしれません。ここでは、タンパク質の効率的なとり方を、運動生理学が専門の藤田聡先生に教えてもらいました。さらに、下ごしらえがラクで気軽につくれる、高タンパクおかずレシピも紹介します。

タンパク質のイメージ画像
タンパク質を上手にとるには?(※画像はイメージです、画像素材:PIXTA)
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やせにくいのは「タンパク質不足」が原因かも

筋力アップやダイエットに欠かせないタンパク質。老化と骨格筋タンパク質代謝について研究されている、立命館大学スポーツ健康科学部教授の藤田聡先生によると、「現代の日本人はダイエットによる食事制限などを行う人が増え、タンパク質不足の傾向にあります」とのこと。

タンパク質の総重量は体重の30~40%を占め、筋肉においては約80%がタンパク質からつくられています。タンパク質量の摂取量が減るいちばんのデメリットは、筋肉量が低下し、基礎代謝が下がって消費エネルギーが減るため、やせにくくなるのです。

では、タンパク質をどのように摂ればいいのでしょうか。上手に摂るための6つのポイントをご紹介します。

●肉や魚のタンパク質量は手のひらを活用しよう

タンパク質の量

1食に必要なタンパク質量は20~30gが目安。とはいえ、食事のたびに計算するのはかなり面倒な作業です。

そこでオススメしたいのが“手ばかり”。肉や魚は片手の手のひらと同じくらいのサイズであれば約100g=タンパク質量約20gと推測できます。

●3回の食事でバランスよくとって筋肉をキープ

筋肉は1日のうちで分解(カタボリック)と合成(アナボリック)を繰り返しています。空腹でエネルギー不足になるとカタボリックが進んで筋肉が減り、食事でタンパク質をとるとアナボリックを促して筋肉がつくられる、というサイクルです。

1日3回の食事でタンパク質をバランスよく補うことが、筋肉維持にもダイエットにも有効です。

●動物性と植物性は1:1の割合がベスト

動物性タンパク質と植物性タンパク質

タンパク質には肉や魚介、卵、乳製品などの動物性タンパク質と、大豆製品などの植物性タンパク質があります。

体内への吸収率は動物性タンパク質が95%以上、植物性タンパク質が80~85%と動物性タンパク質が優位。しかし、動物性タンパク質は脂質が多いものもあり、低脂質で脂肪燃焼効果が高い植物性タンパク質を組み合わせて、1:1の割合でバランスよくとるのがオススメです。

●朝のタンパク質がいちばん効率よく吸収

睡眠中はタンパク質を摂取できないため、筋肉の分解(カタボリック)が進みやすくなります。さらに朝食を抜くとカタボリックが昼食まで続き、筋肉は減少。

時間栄養学の研究でタンパク質は朝に摂取するほうが吸収しやすいので、朝食は意識的にしっかりタンパク質をとりましょう。

●高タンパク・低脂質なら筋肉がつくられやすい

タンパク質は消化吸収のスピードが速いほど筋肉が効率よくつくられます。脂質が多いと消化吸収に時間がかかるため、高タンパク・低脂質の食材ほど筋肉がつくられやすくなります。

鶏肉は皮つきより皮なし、豚肉はバラよりヒレやモモを選んで、余分な脂質をとらない工夫を心がけましょう。

●ビタミン&ミネラル&糖質も一緒にとる

タンパク質と一緒にとりたい、ビタミン&ミネラル&糖質

タンパク質が筋肉をつくる際に助けてくれるのがビタミンD。ビタミンB群は筋肉疲労の回復や代謝をサポート。カルシウムは筋肉の収縮を助けて、動きをスムーズにしてくれます。糖質が不足するとタンパク質をエネルギー源として使ってしまうため、適度にとることが重要。

筋肉の合成にはタンパク質以外のビタミン&ミネラル&糖質も不可欠なのです。