「ゼロ地点」に感じた希望

鈴木おさむさん
鈴木おさむさん
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――SMAPの解散以降もさまざまなできごとがあって、いろいろなことが変わり始めているかと思います。もし、最近鈴木さんが感じた変化などがあれば教えください。

鈴木:以前、テレビのインタビューで、林修先生と(草なぎ)剛くんが話していて、(スタジオを映した画面の)ワイプでは中島健人くんがうなずいているリアクションがあった。それを見て、改めて「時代が変わったな」と思いました。本にも書いてますけど、SMAPの解散に至るまでには、とてつもない悲しみとか、悔しさとかがあって。でもそれを経て、芸能界も大きく変わった。みんなが「つまらないことはやめようよと」行動できるようになった。

剛くんが「俺、あんまりテレビ出てないからさ」って言ってましたからね。人気がなくなって出ていないんじゃなくて、くだらないルールとかしがらみで出れなかったんだって、世の中の多くの人が感じている。現に、「昔人気だった」ってことじゃなくて、今もめちゃめちゃ人気があって引っ張りだこ。テレビのつくり手も、自分たちが共犯者であった罪を含めて、放送でコメントを使っていると思うんですよね。

僕が書いたことに対して、ハレーションはあまりにも大きかったけど、今、剛くんがそういうことをしゃべれる状況になったことを含め、書いた意味をすごく感じています。芸能界にはまだ古い部分がいっぱい残っていますが、僕の小説もきっかけのひとつになって、いろいろなことが壊れて、少しずつ明日に向かうスタートゼロの地点ができてきたのかなと。そういう意味での希望の物語として、僕の小説をぜひ読んで欲しいと思っていますね。

※ 草なぎさんの「なぎ」は、正しくは弓へんに旧字体の前に刀

鈴木おさむさんのインタビュー記事後編は7月1日に掲載予定! こちらもぜひお楽しみに。

もう明日が待っている

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