日本では6割の夫婦が陥るといわれるセックスレス。今回はレスに悩み続けて10年超、「夫がいい人過ぎるから裏ぎれないけれど、このまま枯れていくのかと思うと悲しい」と吐露する主婦の真奈さん(仮名・41歳)のお話です。

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20代からセックスレス。結婚生活13年目の今春から夫と「週末婚」へ:正美さんの場合3
幼なじみ
幼なじみだった彼と結婚 ※写真はイメージです
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幼なじみとスピード婚に潜んでいた思わぬ落とし穴

真奈さんが結婚したのは今から11年前、30歳のときでした。夫は中学時代からの幼なじみ。お互いの実家も近く、昔から仲はよかったものの、実際に交際が始まったのは社会人になってからのこと。きっかけは、真奈さん自身の海外駐在だったといいます。

「高校と大学は別々で、同窓会とかでたまに顔を合わせる程度だったんですが、帰る方向が一緒なので、家まで送ってくれる仲よしな男の子という感じでした。そんなある日、私が海外に赴任していて、同窓会へ行けなかったときがあったんです。そしたら、つき合っていたわけでもないのに、お正月の一時帰国のときに、いきなり空港まで迎えに来てくれて、プロポーズ。すぐに結婚することになりました」と真奈さん。

空港
※写真はイメージです

そんなドラマのような展開を後押ししたのは、真奈さんのお母さんでした。

「じつはもともと、うちの母と夫のお母さん同士が近所だから仲がよくて。向こうがどこの大学受かったとか、就職はどこになったとか、いちいち聞いてないのに情報が入ってくる状態。そして『ああいう男の子と結婚してくれたらいいのになぁ』っていうコメントもしょっちゅうしていたので、なんとなく、自分のなかではスピード婚というより、なるべくして家族になった人という感覚でした」

お互いの家族も仲がよく、幸せに満ちたはずの結婚でしたが、体の関係が深まる前に決めてしまったことが、その後真奈さんの人生に“レス”という暗い影を落とす始まりとなってしまいました。

だれにもわかってもらえない孤独との闘い

「もともと夫はそんなにガツガツしたタイプではありません。私にとっては突然のプロポーズだったけれど、向こうは向こうなりに飲み会のあと送り届けたり、たまに駅でばったり会ったときに一緒に帰ったりすることで、アプローチしていたつもりだったみたいです。かわいいですよね。けれど性行為に関してはすごく淡泊で、ちゃんとつき合って結婚したわけじゃなかったから、そこの部分が合いませんでした」と語る真奈さん。

しかし現在は、10歳、7歳、4歳、0歳の4人の子どもの母親でもあります。とてもレスに悩んでいるような家族構成ではないのですが…と問いかけると「それがいちばんつらいんです」と力を込めて話しだしました。

「だれにも話せない。こういう取材じゃなきゃ、たぶんずっとひとりで悩んでモヤモヤしながら枯れていくのかなって思うと、悲しみしかないです」と。