夫の急逝と子どもの独立で、およそ20年ひとり暮らしを続けている、料理家の足立洋子さん。70代になり気力や体力の落ちこみを感じながらも、日々を前向きに過ごしています。そんな足立さんが、自分がご機嫌になるための工夫をまとめた書籍『さあ、なに食べよう?70代の台所』(扶桑社刊)より、家事を楽しめるようになった理由などについて紹介します。

足立洋子さん
料理家の足立洋子さん(72歳)
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家事の時間短縮に挑戦するのが大好き

掃除機をかける足立洋子さん

若い頃の家事はこなすものだったと、今だから思います。日々の家族の生活を滞りなく回すために、とにかくやらなければいけない家のあれこれ、という感覚。

でも、今の私にとっての家事は、「いかに自分を喜ばせられるか」という目的を達成するための、手段としての家事。なぜこの家事をするのか、という意味がわかると、家事はぐんとおもしろくなると思います。

そして私の場合は、どれだけこの時間を短くするか、と挑戦することが大好き。どうしたら手間をかけずに短時間で効率よく私のしたい生活ができるのかと、家事について考えを巡らせること自体が、とても楽しいのです。

そうやって家事の工夫を重ねて、自分がさらにラクちんに心地よく暮らせるのなら、万々歳。ひとり暮らしになってようやく本当の意味で、“自分のため”の家事となったのだと思います。

日々の家事を自分のリズムで楽しむ

ベッドメイキングをする足立洋子さん

朝、自分に課しているルーティンは3つ。1:水を飲むこと、2:日めくりカレンダーの格言を声に出して読むこと、3:ガスと電気メーターをチェックすること(これは趣味の域)です。

朝起きた流れでベッドメイクをするのは、もう長年の習慣。わざわざルーティンとしては捉えてはいませんでしたが、ホテルのような寝室が理想なので、その希望をかなえるためには必要な作業ということになります。

夜も3つ。1:台所をきれいにすること、2:食卓をきれいにすること(パソコンの出しっぱなし厳禁!)、3:リビングをきれいに整えること、です。

台所の床を水拭きすることと玄関の靴をしまうことは、「今日もこれでおしまい」という一日の締めくくりをつくることができるもので、すでに習慣づいています。

朝起きていちばんに向かうリビングとキッチンがきれいに整っていると、一日を気持ちよく始められますし、自分に少しの負荷をかけることで、生活がシャンと整います。ときにはくたびれてシンクに洗い物が置きっぱなしのまま寝ちゃうこともありますが、そういうときは「ごめんなさい~」と心のなかで。疲れた体を休ませてから、また今日の家事を自分のリズムで楽しみます。

 

足立洋子さんの暮らしの工夫やひとり暮らしに役立つレシピ、53歳で夫を亡くし、立ち直るまでの心の動きを綴った『さあ、なに食べよう? 70代の台所』(扶桑社刊)は発売中です。

さあ、なに食べよう? 70代の台所

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