私が残したもの、手放したもの
すべての画像を見る(全5枚)私が残したものはこちら。息子がいちばん好きだった積み木と、娘が結婚したときにくれた手紙は、いつでも見られる場所に置いています。思い出のそれらから私が癒され、勇気をもらっているからです。
逆に、思い出があっても手放した大きなものもありました。
それが、息子の鯉のぼりです。私はこれをとある自治体へ寄付しました。息子が亡くなって数年したころのことです。息子のためにというより買ってくれた両親に申し訳ない…と思って最後まで迷ったけれど、今でもよかったと思っています。
息子の大きな鯉のぼりは、今その自治体で他の方が寄付された鯉のぼりとともに保管されています。今年の子ども日の催しでも、地域のみなさんに見てもらったはずです。直接そこには行けなくても、毎年その様子を想像するだけで私は幸せな気持ちになるのです。
その鯉のぼりは大きなサイズだっただけに、相応の収納スペースも必要でした。今は押し入れにそのスペースがあいたため、季節外の家電をゆったりおさめられるようになっています。
肩の荷がおりた気持ちになれた
大量に残していた子どもの思い出の品を整理したあと、私は肩の荷がひとつおりたように感じました。「この先まだまだ整理しないといけないものが残っている」と焦らなくてすむようになったのです。
子ども本人がいらないといっても、思い出の品はできるだけ保管しておきたいという人もいらっしゃるでしょう。収納に余裕があれば、問題ないようにも思います。でも、いずれ管理するのが負担になってくる日がくるかもしれないので、もし子どもから処分してもいいと任されているなら、体力気力があるうちにいちど見直してみませんか。きっと気持ちがラクになると思います。
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