「セクシーな唇」は大切

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リップクリームや口紅を探していると「この商品は分厚い唇に見える」とすすめられるので、「え? 分厚く見せた方がいいの?」と不思議に思ったことがあります。日本で聞くような、小さな唇、かわいい唇、薄い唇…といった表現は聞かず、口紅の塗り方も、厚くベッタリとのせ、セクシーに見せているイメージです。

スペインでは前述の携帯電話の絵文字のように、目よりも口元に注目されることが多く、女性らしいふっくらした唇が魅力的に見られるポイントと思われています。また歯並びがきれいなことも美の条件のひとつで、幼少期から歯の矯正をする割合も多いようです。

褒め言葉は「いい“額(おでこ)”してるね!」

額を話題にすることは、これまで日本で暮らしていた私は今までほとんどなかったように思えますが、スペインでは仲間同士で、大きく張りのある額を褒め合うことがあります。額の見栄え、高さや広さが美人の条件にもなり、額をよく見せるために髪型を変えたり、生え際の色を変えることもあるそうです。額の魅せ方によって顔全体が明るくなり、表情豊かになるとも聞きました。

夏は「日焼け対策」よりも生活の充実さが大事

日焼け

日本では美肌のために日焼けを避けた生活スタイルが意識されることが多いですが、スペインで日焼け対策をしている人を見たことがありません。春から夏にかけて陽射しが強まり太陽が照りだすと、待ってましたとばかりに「海岸に行こう!」「公園に行こう!」とみんな颯爽と出かけます。

マンションの敷地内や、ちょっとした裏通りでも、あえて薄着になり肌を焼いている人を見かけます。そして夏に日焼けをしていないと「休みも取れずビーチへすら行けないかわいそうな生活」と見られ、週明けに日焼けをしていると「いい色! どこに行ったの?」と喜び合います。こんがりした肌は健康的で、今の生活が充実している証拠のように思われているようです。

ファッションや体型へのこだわり

スペインでは、ファッションにおいても個性を積極的に活かしたスタイルが多く、人からの見られ方や流行を意識するよりも、自分が今好きなもの、着たいものが優先され、各々まったく違います。また、ある程度の筋肉も「自信」をプラスすると思われ、ジムへ通い引き締まった身体を目指す女性も多いです。体型やファッションは自己表現のひとつと思われ、表現豊かに自分らしさを表すことが大切に思われています。

ファッション

美意識の違いは、生まれ育った環境の中、いつの間にか形成された価値観の違いだと思います。内面からでる控えめな美しさを「美」と思うか、個性がしっかり表現された姿を「美」と思うかは人それぞれ。

海外に滞在したことで多くの違いを目にする機会がありますが、大切なのは出身国に関係なく自分が表現したいスタイルを追求することで、その人のいちばん美しい姿を見ることができると思っています。

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