病を通じて考えた本当にやりたかったこと。新たな職業との出合い
すべての画像を見る(全7枚)闘病生活を送る中で、“これからのこと”について改めて考えを巡らせた上林さん。
「自分の身ひとつでできることはないだろうかと考えたとき、パーソナルスタイリストという職業が思い浮かびました。もともとファッションが大好きだったことが、最大の決め手となりました」
「この先また仕事を始めるなら、在庫を抱えたり、家賃など長期での契約が必要となるものはリスクが大きい。ちょうど自分の体型の変化や年齢による変化が気になっていて、またスクールでは多くの生徒さんたちも同じような悩みを抱えていたことを思い出し、身ひとつでできるパーソナルスタイリストを目指すことにしました」
なにかを始めるのに、“時期が遅すぎる”ことはない
「長年ファッション業界に身を置いていたことでスタイリストとしての知識もある程度もち合わせていたため、新たに勉強が必要なのはパーソナルスタイリストとしてのノウハウを学ぶことだけでした。
私が若いころはまだパーソナルスタイリストという職業がなかったこともあり、それほどなじみもなかったので、まずは養成所に通うことから始めました」
60代の上林さん。時間は有限である中で、今を、未来を、どう描くか? 人生の第二幕では、妻、母、祖母といった自分に課せられた役割ではなく、“あくまでも自分軸で”物事を考えるようにしました。そこには、好きなことをとことん突き詰めて、楽しみながら生きていくのだという前向きな強さがありました。