サコッシュという言葉、古きよき時代のフランスのおじさんの象徴でした

お店の風景
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斜めがけのバッグといえば、この頃「サコッシュ」とカタカナで日本語でも使われるようになった、斜めがけ専用の小さめのバッグ。これはフランスでは主に男性が持っているイメージです。

フランスの男性はなぜか昔からバッグを持つのが嫌いです。夫のおじいさん、お父さん、おじさん、夫も、みんななるべく手ぶらで出かけようとします。それでも手ぶらにできないとき、貴重品を入れるだけの大きさのサコッシュを使っていました。

サコッシュとは昔の郵便配達人や、集金係が斜めがけにしていた小さなバッグのこと。この言葉が日本でも最近使われるようになってなんだか懐かしい気持ちがしています。

斜めがけバッグのもう一つの利点とハンドバッグの役割 

フランスのお店の中

防犯のほかに斜めがけバッグの大きな利点は「両手が空くこと」。高齢者や足が不自由な方にとって両手が空くのは大切です。

そのうえで、フランス人にとって両手を空けておく日常的には大事な理由があります。

それは街で、店で、知り合いに会った時に握手、ハグ、キスと大きなジェスチャーで喜びを表すときに手が使えること。手を出さずにキスのために顔だけ突き出しているのは少し冷たい印象になってしまいます。

それでは、ハンドバッグの出番はなくなったのでしょうか。
いえいえ、ふだん斜めがけバッグで両手を振ってぐんぐん歩いているからこそ、高級なレストランに行くとき、片手を占領する小さな美しいバッグを持つことは女性の身のこなしに品を与えてくれるのです。

ハンドバッグを持っているとドアを開けてくれたり、周りの人も優しく接してくれます。フランスで高級レストランに行くときには小さなハンドバッグを忘れずに。

実用的でトレンディーな斜めがけ、レディーとして扱われるハンドバッグ。
貴重品を持ち運ぶ、大きな荷物を運ぶという実用面だけではなく、それぞれのバッグが人に与えるイメージがあるんだと、フランスにいると思い出させてくれます。

◆ペレ信子さんの記事をもっと読む

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