40代で結婚したイラストレーターの曽根愛さん。夫との日常生活でふと感じるおかしみを、漫画とテキストで紹介してもらいます。今回は男女間のギャップが取りざたされがちな「味つけ」について。

「男は濃い味好き」は、真実か?

「せっかく薄味で調理しても、旦那さんがなんでもしょうゆかけちゃう!」とか「男性はマヨネーズとソース味が好き」みたいな話を聞きますが、どうなんでしょうか?

先ほどネットで「男性 好き 味つけ」で検索したら「甘辛」「照り焼きマヨネーズ」「ニンニク系のこってり」というレシピがいっぱい出てきましたが、「男は、こういう味つけが好きなんだろ!」という情報は、このご時世、ちょっと偏りすぎなんじゃないの…。

と、いうか、これ全部私の好きな味つけだよ! と、言いたい。
独身時代、仕事が忙しいときによく利用していたお弁当屋さんがありました。
お昼になると、工事現場で働くおじさんたちや若いサラリーマンが来ていて、かなりボリューミーな弁当をガシガシ買い込んでおり、私も負けじと目当ての弁当が売りきれる前にレジに並んでいました。

とくにお気に入りが「ご飯の上にショウガ焼きがのっていて、おかずは唐揚げと卵焼きがひと切れ、あと、申し訳程度に千切りキャベツがちょっぴり」というヤツ。
懐かしいなあ、もう閉店しちゃったんだよなあ…。

マンガ1
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マンガ2

対する夫は、薄味が好き。夫がつくる料理もおおむね「優しいお味」です。

おそらく育った家庭の料理文化によるものだと思われますが。

そんなわけで、漫画のとおり、私はあまり家事をしないので、料理くらいはきちんと夫好みのものをつくるかー、とだしをとりますが、あとからいろいろとしょうゆや塩をたして(自分の分だけ)濃くしています。

あー、調味料って本当にすばらしい。とくに「めんつゆ」をいちばん初めに商品化した会社には表彰状を授けたい。

こんな私ですが「ちゃんとおだしをとったものはおいしい」という気持ちもあるんですよ。とくに煮干しでとっただしの味噌汁のうまいこと…。

(ただ顆粒状のだしを使わない代わりに、みそを多めに入れてしまうので意味がないのかもしれません)

もう40代だからなあ。「おだしでさっと煮た煮物がおいしいんです」とか言いたい。

上品な関西風のおうどんとかつくれるようになりたい。

丁寧な暮らし、とかしてみたい。

(いろんな願望が混ざってますね)

う~~ん、でも未だにスナック菓子とかソースダボダボの焼きそばを買ってしまう。コンビニのレジ横のホットスナックコーナーをガン見してしまう。

わかっちゃいるけどやめられない。濃い味つけはやめられないのである。

【曽根愛】


東京都在住。イラストレーターとして、おもに書籍、雑誌で活躍。コミックエッセイに『着ていく服が見つからない 洋服選び受難女子 応援コミックエッセイ』『実家モヤモヤ女子 応援コミックエッセイ そろそろ実家を離れたい』(ともにKADOKAWAメディアファクトリー)