北欧の人々はタイパの達人!
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近年、「コストパフォーマンス(費用対効果)」をもじった「タイムパフォーマンス(時間対効果)」、通称「タイパ」という言葉をよく耳にするようになりました。
効率的な時間の使い方を重視し、それにより、たくさんのことを同時並行に進めようとする人が増えている様子。倍速で話題のアニメを見ながら、SNSをチェックしながら、明日の仕事のことを考えながら夕飯を食べる、などなど。
過去に私も「タイパ」を上げなくてはと焦るあまり、不器用なくせに大量のことを同時にやろうとして、よくパニックになっていました。その結果、集中力が分散し、どれもこれもおろそかに。時間だけが刻々と過ぎていき、虚しさと焦りが積もるばかり。
振り返ってみると、その原因は「優先順位をつけるのが下手だったから」でした。もっといえば「自分にとって、なにが大切で、なにがさほど大切ではないのか」がわからず、「大切ではないことを『やらない』勇気」がありませんでした。
「これをやったほうがいいらしい」と流されているうちに、やるべきことリストが膨大になって、収拾がつかなくなっていたのです。
北欧の人々は、自分にとって大切なことを明確にしている
それに気がついたのは、北欧に移住してからのこと。幸福度も生産性も、世界最高クラスの北欧の人々は、常に時間に追われ、せかせかと「タイパ」を上げなければと必死になっていた私とまるっきり違ったのです。
想像していたよりもずっと、ゆったり、のんびりとしている彼らの様子と、とてもリラックスした空気が漂う光景に驚き、そして納得しました。
私が「たくさんの『自分にとって大切ではないこと』を、やたらめったらたくさんこなす」に終始していたのに対し、北欧の人々は自分にとって大切なことを明確にし、そのひとつひとつ、タスクが仕事でも遊びでもそれにきちんと集中していました。そうすることで時間の密度をぐっと濃くして、本当の意味での「タイパ」を向上させていたのです。
まさに「本当に充実していて豊かな生き方」を実現しているといえるでしょう。
『北欧時間』(大和出版)では、そんな「タイパの達人」である北欧の人々が大切にしている本当に豊かに生きるための時間の使い方を紹介しています。また、それらに関連する彼らの考え方や、過ごし方の例もたくさんお伝えしていきます。
あなたにとって「本当に大切な時間」とはどのような時間ですか? 家族と過ごす時間、「推し活」の時間、おいしいものを食べる時間、もしくは睡眠時間かもしれません。この機会に少しだけ立ち止まって考えてみませんか? きっと、北欧の人々がたくさんの知恵やヒントをくれるはずです。