等身大の自分でいられる50代。小学生時代の友人と“再集合”の機会も!

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――10代で女優デビューをしてから、執筆業、そして45歳のときには日本文化を学ぶために大学へ通うなど、フィールドにこだわることなく、活動をしている小林さん。30代、40代、50代と時を重ねて、気がついたこともたくさんあるのだとか。

小林:その年代ごとに、いろいろな方々の中で成長させていただいたと思います。そんな中、大人になるにつれて、いい意味で気疲れすることがなくなりました。若い頃は「私は気が利かないなあ~」、「見当違いなことを言って空回りしてしまった」なんて落ち込んだり…。もちろん今でもそういう気持ちになることはありますけれど、その上で「まあ、等身大の自分でもいいよね」と感じられる余裕が出てきました。

人づきあいの面でいえば、50代を過ぎると、友達づきあいにもまた楽しい変化が生まれてきて。40代で通った大学の同級生たちとは、親子ほど年齢が離れていますが、知り合ってから15年近くを経てもいまだに交流がありますし、さらにさかのぼると、お仕事を始める前の、小学校からの同級生たちとも、いまだに仲がいいんです。

――同い年の同級生たちは、人生の様々な波を経験し「再集合した感がある」とも。

小林:子育てに忙しかった人、仕事に夢中だった人…。それぞれが忙しく疎遠になっていた時期を経て、50代なってまた自然と集まれるように。小学校の頃の文集をいまだに持っている人がいて、みんなでながめては「こんなこと書いてる!」なんて盛り上がったりもしましたね。ちなみに私は“将来の夢”を「カメラマンになりたい」と書いていました。世界を駆け巡って写真を撮りたかったようです(笑)。そんな幼い頃の夢や、たわいもない昔話を語れる仲間たち…。時間が醸す人間関係っておもしろいなと思いますね。

父から学んだ「手放さないもの」

小林さん

――さらに小林さんは、3年前にお父様を看取った経験からも、「大事にするもの」の見極め方を学んだそう。

小林:自宅療養をしていた父でしたが、ほんの短い期間だけ病院でお世話になるつもりで慌ただしく準備して入院したのですが、結局そのまま病院で息を引き取ったんです。入院前に父が自宅から持っていったのは、身の回りのわずかなものだけ。もともと、必要以上のものは持たない父でしたが、それでもこの世を去るときに手元に置けるものってすごく少ないのだな、と実感。同時に、親しくしていた方々には、悔いのないように挨拶していた父の姿も見ていて。「ものは手放すのが必要なこともあるけれども、友情やお世話になった関係は簡単に手放してはいけない」というのもあらためて教えられた気がします。

――そんな“見極め上手”な小林さんが唯一、悩んでいることと言えば…。

小林:猫です。25歳ぐらいから猫と一緒の生活を続けていて、今も一匹と同居中。この猫が最後なのか? と。 私が先か、猫が先か、という年齢が、いつかは必ずやってくるんですよね。猫を愛し、慈しむ気持ちを手放さず、彼らといつまでも元気で一緒にいられる暮らし方を、自分なりに考えたりします。

<公演情報>

小林聡美 NIGHT SPECTACLES チャッピー小林と東京ツタンカーメンズ

日程:2024年 4月6日(土)、7日(日)1日2回、全4公演
場所:横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホール
チケット情報はイベント公式サイトへ

出演:小林聡美、東京ツタンカーメンズ
ゲスト:阿部サダヲ
演出:小泉今日子
制作協力:大人計画/モチロン
企画・製作・主催:WOWOW

公式サイト:https://www.chappy-kobayashi.com