日常で使える“ツッコミ”を、子どもに覚えさせてみる

哲夫さん
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――ほめ以外、たとえば子どもがなにか失敗したときなど、効果的な励まし方などはありますか?

哲夫:子どもの励まし方…というと、状況によってさまざまだと思いますが、早いうちから「ツッコミを覚えさせる」というのもひとつの手です。

たとえば嫌なことがあったり、深刻になりそうなことも、ツッコミだったらそれを笑いに変えたり、和やかにできることもある。僕自身が、子どもに注意するときもツッコミ口調になっているかもしれません。

子どもがなにかを落としたら、「落としたらあかんやろ!」ではなくて、「なに落としとんねーん」って、失敗を“ボケ”として遊んじゃうというか。なにも難しいことはなくて、言い方や口調を変えるだけ。結構なんでもツッコミに変換できるんですよ。それに、失敗を和やかな笑いに変えることができれば、子どもは失敗することを恐れなくなります。

――子どもは、身近な大人の口調をマネしますよね。

哲夫:そう、子どもが“ツッコミ”を使えるようになれば、失敗した友達も傷つかない。失敗は尊いんですよ。人生の糧(かて)になる。場を明るく変換するツッコミを覚えてくれたら、これから培っていくコミュニケーションも、いい方向に向いてくれるんじゃないかなあとちょっと期待してます。

子どもが使う言葉や口調の、いちばんの仕入れ先は“親”である

子どもと親
※写真はイメージです

――哲夫さんはご家庭でも日常的に自然なツッコみをされていて、それを子どもたちがマネをするのですね。子どもたちは、かなり親の言動も見ているということでしょうか。

哲夫:それはほんまにそうです。子どもは親が思っている以上に、親を見て、分析して、その言動をマネています。子どもの口調はいろんな人やものから影響を受けて形成されますが、いちばんの仕入れ先はやっぱり親です。ツッコミもしかり、親は子どもに「こんな口調になってほしい」という期待を、自分が率先して子どもにぶつけるべきだと思います。

子どもの頃、僕の友達にどことなく高圧的にしゃべる子がいて。その子の家に遊びに行ったら、お父さんが子どもにも奥さんにも高圧的な言葉を使っていたんです。家の空気がなんかもうピリピリしているというか。

ほかにも、自分から質問してるのに、相手の言葉をさえぎってずっとしゃべりまくる子もいました。案の定、その友達のお母さんに会ったら、まあ人の話を聞かないでしゃべる、しゃべる(笑)。めっちゃそっくりやん、って。親は子どもになにかを伝える前に、自分自身を振り返ってみた方がいいかもしません。