「娘がここに載るはずだったのに」…塾の広告チラシが憎い
すべての画像を見る(全4枚)娘は学校に早く行きたくて、念のため出願していた学校の入試はやめ、小学校に元気に登校し、友達と遊んでいました。
そんな様子に安心する一方、私は心の中でいつまでも引きずっていました。
とくに私を苦しめたのは、毎日新聞広告に入る合格者一覧の塾のチラシ。そこには娘が受けた学校の合格者集合写真や、当時は名前までも載っていました。
「娘がここに載るはずだったのに」「大晦日も元旦も早朝から電車で特訓に通い、がんばってきたのに」「合格体験記に写真入りで載るはずだったのに!」
娘の前では普段通り明るく過ごしていましたが、入学手続きをした後も私は納得のいかない気持ちでした。
立ち直ったきっかけは「自分の見栄」に気づいたとき
あるとき、ふと考えました。
娘は納得し明るく過ごしているのに、なにがこんなに悔しいのか。
そして気がついたんです。私は「優秀な子の親でいたかった」。チラシや体験記を見た人に「あなたの娘はすごいね」と思われたかった。
周りからほめられるうちに、気づかない間に、そんな親の見栄が育っていたのでした。
それに気づいた瞬間、自分のことが「バカみたい」と思いました。そして急に吹っきれました。
受験したのは娘で、評価されるのも娘なのに、自分がほめられたような気になっていたのでした。
受験は「親の自己満足」に注意
先生から、子どもはフィールドで戦っていて、親はそのフィールドには降りず応援席から、と言われたことがあります。
それなのに、小学校受験や中学校受験は親も一緒にがんばることが多くて、いつの間にか自分が戦っている気に。自分はそうはならない、と思っていたのに恥ずかしながらこれです。
「子どもは親の作品ではない」なんて言われますが、やはり子どもがほめられるとうれしいのも親心。合否に関わらずやりきったこと、得た知識と努力は娘の宝物です。
不合格はつらいものですが、親も子もどうか後悔はしないでほしい。そしてその覚悟を持って中学受験をするかどうかも決めて欲しいなと思います。
このリアルな体験が、子どもの受験中で悩んでいる人やこれから受験を考える保護者の方に少しでも役に立てばと思います。