「俺はお前がなにをしているか知っている」

中学時代のあこがれのA氏にのめり込んでいった紀子さん。夫には勘づかれなかったのか聞いてみると、「すぐバレましたよ」とあっさり。

なんの前触れもなく突然夫から「俺はバレンタインの日、お前がなにをしていたか、全部知ってるからな」とだけ言われたといいます。しかし浮気をしているのはお互い様。それ以降はなにも言ってこないそう。

「確認してないからわからないですけれど、たぶんスマホを見られたのかなと思います。それまでA氏とのやり取りが愛おしくて消せなくて。けれど、この日を境にマズいな思って、証拠は全部消しています。夫との関係はどうでもいいのですが、A氏側に迷惑をかけたくないという気持ちの方が強いですね」と紀子さん。

お互いに浮気を公認している夫婦

出張
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そして、そこからずっと夫とはレスのまま。セカンドパートナーであるA氏との関係も継続中。よくそんなに器用に秘密の交際を続けられますね! と尋ねると、「うちはある意味、公だから。A氏との交際も夫の協力があってこそなんです」と語る紀子さん。夫は女性をコロコロ変えているのかもしれないけれど、紀子さんはずっとA氏と交際を続けているといいます。

「私がA氏に会いたいときは『出張がある』といって家を出るんです。すると夫が仕事を調整して子どもを見ていてくれます。逆に、夫に『夜勤がある』と言われたら、私がその期間は仕事を調整してなるべく早く家に帰るようにもします」そうやってお互いセカンドパートナーがいることは公認状態なのだとか。

「そして子どもの前では、仲のいいパパとママを演じています。しらじらしいなと思うけれど、それで家が円滑にまわって、みんながストレスなく暮らせているんです」

ぶっ飛んでいるけれど、今がいちばん安定しています

もともと世の中には、一途な人と浮気をする人の2種類の人間がいて、自分は一途なほうだと思っていた紀子さんでしたが、気がつけば、自分自身も浮気をする側の人になってしまっていました。

「セカンドパートナーのA氏がいるから、私の心は救われました。そして夫に対しても、『一緒にいて楽しいな、ラクだな』という出会った頃の気持ちがいい意味で蘇っています。みんなから『すぐに別れる』と言われ続けていた私たちの結婚生活ですが、今年で15年目。本音を言えば、悔しくて意地になっていたのかも。まだ老後のことは考えられないし、傍から見たらすごく奇妙な夫婦関係なのかもしれないけれど、一度きりしかない人生。もう自分に嘘はつきたくない。ぶっ飛んだ状態であることは自覚してますが、今がいちばん安定していますね。この関係を私から壊すことはしないと思います」

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