グルメの国フランスの「夕食事情」

日本とフランスの夕食事情はどう違うのか、フランス生活文化研究・翻訳者のペレ信子さんが教えてくれました。

スープとチーズ
意外に質素なフランス人の毎日の食卓
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フランス人の毎日のごはんはフルコースなのか? いいえ、じつは意外に質素なのです。
一汁三菜が和食の基本と言われますが、毎日たくさんのおかずを考えるのもつくるのも大変なもの。最近では土井善晴さんの「一汁一菜」という提案で救われた気持ちになった人も多いはず。

グルメな国、フランスの人たちは、レストランのようなフルコースを毎日食べているのでしょうか? フランスのおかず事情を紹介します。

●平日はワンプレート、ごちそうは週末

お肉

日本では今日は和食、明日は中華、そしてその次の日は洋食、などとバラエティに富んだ食生活をしていますが、フランスは少し違います。基本的には平日は変わり映えしない料理が毎日並び、ごちそうは週末に、というスタンスです。なので、基本ワンプレート。

平日の平均的な夜ごはんは、伝統的な家庭の場合は野菜スープにチーズとハムやサラミ。もう少し若い家庭なら、ソーセージや肉を焼いたものに野菜のつけ合わせやエスニックな一皿。もしくは、冷凍食品を利用したキッシュにサラダ、魚料理に野菜を添えて、という感じ。

冷凍食品に対する後ろめたさはまったくありません。つけ合わせの野菜だって1種類! インゲン豆の季節だったら、インゲン豆をこれでもか、というほど食べるのです。1週間を通していろんなものを食べればOKという考え。かつて日本で1日30品目と推奨されていましたが、それも今はなるべくいろんな種類を食べようというところで落ち着いたみたいですね。

●毎日の食卓のバラエティよりも夜の時間を楽しくが大切

私もフランスに住んでいるときは、月~木は同じものを食べていました。そして金曜日の夜から少しがんばっておいしいものをつくりました。献立に頭を悩まして、消耗するよりも、毎日変わり映えしない食事でも夜の時間をゆったりと過ごす方に重きをおく。こんな考え方を今日のおかずに悩む人に贈ります。

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