2011年に加藤茶さんと結婚し、68歳と23歳の「45歳の年の差婚」として注目を集めた加藤綾菜さん。当初は心ないバッシングを受けていましたが、今では加トちゃん(現在80歳)を献身的に支える良妻として知られ、今年9月には『加藤家の食卓』(アスコム)を上梓。

綾菜さんのつくる減塩レシピの効果もあって茶さんの血圧を70mmHgも下げ、一時は「舞台復帰は厳しい」と宣告された茶さんを見事な健康体によみがえらせました。ここに至るまでどのような苦労があったのでしょうか。お話を伺いました。

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綾菜さんが茶さんと、減塩までの二人三脚を歩み出したのは、茶さんが2014年6月にパーキンソン症候群になったとき。

パーキンソン症候群は、脳の指令を伝える“ドパミン”という物質が減少することで、手の震えや筋肉のこわばり、歩きにくくなるなどのパーキンソン病のような症状が出ること。

●夜中に菓子パンを買ってきて反動食いする加トちゃんを見て…

加藤綾菜さん
さまざまな減塩食を試したという、加藤綾菜さん
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当時70歳だった茶さんは、60kg程度あった体重が38kgまで落ち、全身の筋肉とともにのどの筋肉も衰え、点滴で栄養を摂るほどだったと言います。綾菜さんとふたりで1年ほど通院し、リハビリを受けるなか、医師から「食事を減塩にした方がいい」と指導されます。

以降、綾菜さんは自身で減塩料理について情報収集していったと言います。

「当時は五里霧中。“減塩ふう料理”の教室に通ってみたり、全国から減塩レシピの本を取り寄せ、廃盤になった本までメルカリで入手したりと、ありとあらゆる減塩食の情報を入手しては、実際につくって、また次を試す…という繰り返しでした。

でも、努力に反して効果は全然出ない。どの減塩食を試しても、塩は使わない代わりにみそやオイスターソースを使い結果的に減塩になっていない、味を濃くするためにニンニクやショウガを入れると味がいつも一定になってしまう、など不完全で。なによりこうした料理を出していても、少ししたら加トちゃんが食べてくれなくなるんです…。これまで味の濃い料理が好きだった加トちゃんからしてみたら、減塩食はどうしてもものたりないみたいで。

じつは裏でしょうゆをかけていた、2口だけ食べたと思ったら『ごちそうさま』と言って、深夜にコンビニで菓子パンやせんべい菓子などを大量に買いあさって食べていた、なんてこともありましたね。反動で食べているんだなと思うと加トちゃんがかわいそうで、自分までつらくなりました」(綾菜さん・以下同)

加トちゃんが75歳になったある日、夫婦で人間ドックを受けると、茶さんの腎機能が低下していることが発覚。主治医に「今後は、腎臓に負担を与える薬を減らしていなかければならない。そのためにも、普段の食事のなかで、減塩をしっかり行ってほしい」と強く指導されたといいます。1日に摂取する塩分量は、「6g以下」――。

「その頃は自己流減塩食の真っ只中でしたが、実際測ってみたら、1日6gは遥かに超えていました。ショックでしたね」

試行錯誤しながら自己流減塩に努める一方、綾菜さんは茶さんに長生きしてほしい一心で、勉強を続けました。食育インストラクターを皮切りに、生活習慣病予防アドバイザー、介護食アドバイザーの資格を次々取得し、食や健康管理に関する知識を身につけていったのです。