●「臓器提供が必要なとき」は身近に起きること
私は、脳死でも心停止でも提供できるものはなんでも提供してほしいと書いています。
脳死の状態からは、心臓、肺、肝臓、腎臓、眼球などが提供でき、最大11人の方を救うことができるのです。そんなことしたら天国で困る…という人もいますが、冷静に考えると火葬して灰になります。だったら、だれかの役に立ちたいと私は思います。
こちらの女性は、私の友人です。(写真右)
すべての画像を見る(全6枚)見るからに元気そうですが、じつは余命宣告されるほど重い病気を患っていました。医師から「心臓移植以外に助かる道はない」と言われ、補助人工心臓を体の中に埋めこみドナーが現れるのを待つことに…。そして、5年後、幸いにも心臓移植を受け命をつなげることができました。今は世の中に恩返しをしたいと、地元で子ども食堂をやっています。元気になって本当によかったです。
これまで提供する側の立場でお伝えしてきましたが、もしかしたらある日突然、自分や家族が移植でしか助からない病気になることもあるのです。彼女も仕事をもちながら2人の子育てをしていたときに突然発症しました。
●SDGsが目指す「すべての人に健康と福祉を」のゴールとは?
SDGsが目指す17のゴールの中に「3:すべての人に健康と福祉を」があります。新型コロナウイルスの世界的なパンデミックを経験したことで、だれもが健康やいのちの大切さを痛感したのではないでしょうか。
いつかは訪れる最期のときに「いのちのリレー」ができるのが移植医療です。これをもっと多くの方に知ってもらうため、10月は街のあちこちが移植医療のシンボルカラーのグリーンに点灯されています。
日本では臓器移植を待つ人が1万6,000人いるのに対し、その約3%しか移植を受けることができません。ヨーロッパやアメリカに比べて臓器提供者(ドナー)が極端に少ないのです。
とはいえ、ドナーになるってどういうことか、いまいちよくわからないという方も多いと思います。そういう場合は、「グリーンリボンキャンペーン」のサイトにわかりやすくまとまっています。
私の友人を救ってくれたドナーの方のように、私も人生を終えるときにだれかを助けたい。
大事なこととはわかっていても、家族との会話の中ではついつい避けてしまいがちなテーマでしたが、ちゃんと伝えるために少しずつエンディングノートを埋めていこうと思います。家族のため、自分のため、そして病に苦しむだれかのために。
【SDGsの課題をみんなで一緒に考える 楽しくアクション!SDGs】
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