「物置化」した実家に残されていたものたち
多分同世代の皆さんであれば、わかっていただけることと思いますが、私たちの親世代。兎にも角にも、所有しているものが半端なく多い世代ではないでしょうか。
すべての画像を見る(全7枚)私が中学生まで暮らしていた実家は、今では完全に物置の状態で、時間が昭和のまま止まっているかのように、ものたちであふれています。記録好きの父が集めた新聞のスクラップやアルバムだけでも1000冊は優に超えます。
写真もネガフィルム。スライド。ポジ。そして8ミリフィルム…。1977年に放送された『岸辺のアルバム』という名作のドラマでは、壊れかけた家族が、水害で流されそうな家からアルバムだけを持ち出すことで絆を思い出すという感動のラストシーンがありました。
1枚1枚に刻まれた記録は、どれもかけがえのない思い出にあふれたものではありますが、もうそんなことも言ってはいられません。
●鬼になる覚悟で「実家の片づけ」に挑む…!
娘は鬼になる覚悟で、両親の荷物と戦う覚悟で実家へと挑みます。
アルバム、書籍、レコード、といった趣味のものから家財道具、食器、そして祖母の代からの着物や洋服。私が使っていた4畳半の部屋のクローゼットには、父が私の劇団の公演のために手縫いでつくってくれた女王役の衣装が今もかかっています。つまりほとんど他人事でしたが、処分しなければならないものの中には私自身の幼少期の荷物も相当数あるわけです。
●まだ元気な60代は片づけにちょうどいい年代なのかも
荷物を処分するためには、体力がなにより必要です。肉体的にもそして精神的にも。
本当に残しておくべきものがなんなのかを見極めるための判断力と勇気、潔さが求められます。そういう意味では60歳間近のこの年齢は、作業を始めるにあたってちょうどいい年頃なのかもしれません。親が覚悟を決めたように私も覚悟を決め、人生初の大処分作業が始まります。
なにが捨てられなにが残されていくのか。すっきりとした気持ちで年末を迎えることができることをただただ願っています。