遺言書に書いておいたほうがいい項目3つ

遺言書を書く際に考えなければならないのが、どのような内容を盛り込むかです。基本的にはなにを書いても問題ありませんが、書いておいたほうがいい項目がいくつかあります。

●1:財産分与について

見舞いに来る孫
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まず、「財産分与」についてです。自分の財産のうち、どれをだれに相続させるのかを決めましょう。財産を相続できる人は法律によって決められていて、それを「法定相続人」といいますが、法定相続人以外にも財産を残すことはできます。財産をだれにどのように配分するかは自由に決められますが、「遺留分」を侵害しないように配慮しましょう。遺留分とは、法定相続人が最低限相続できる権利のことで、法律で定められています。遺留分を侵害してしまうと、トラブルは不可避ですので、注意が必要です。
法定相続分と違う割合で分与する場合は、その理由を書き添えておきましょう。そうしておけば、自分の意思が伝わり、実現できて、無駄なトラブルを回避できます。
財産を相続させる際に条件をつけることもできます。たとえば、部屋の片づけや遺品の整理などの後始末をしてもらう代わりにほかの相続人より多めに分配したり、ペットの世話を引き継いでもらうために相続人以外の人に遺贈したりといったことができます。
遺言書とは別に、「財産目録」もつくっておきましょう。どのような財産があるのか、残された人たちが把握しやすくなりますし、財産目録を作ることで自分の資産状況がわかり、今後のライフプランをまとめるのに役立ちます。

●2:後見人や遺言執行者、祭祀の主宰者を指定しておく

次に、後見人や遺言執行者、祭祀の主宰者を指定しておくことも大切です。相続人のなかに未成年者がいる場合は、成年に達するまで財産を管理したりする「後見人」を指定するとともに、その後見人を監督する「後見監督人」も指定しておきましょう。
法的に効力のある遺言書があれば、原則として財産分与は遺言書どおりに行われますが、「遺言執行者」を指定しておけば、スムーズに遺言書の内容どおりに行ってもらえます。「祭祀の主宰者」とは、先祖代々のお墓を自分の代わりに守ってくれる人のことです。

●3:葬儀や埋葬についての希望

葬式

そのほか、葬儀や埋葬についての希望があれば記しておきましょう。現在は葬儀や埋葬の方法も多種多様です。葬儀ひとつをとっても、一般葬・家族葬・音楽葬などさまざまです。あえて葬儀を行わないという選択肢もあるでしょう。法的な拘束力はありませんが、自分の希望を家族に伝えることで実現してもらうことができます。