●お茶づけが食べられているのは、〇〇の時間!
黄金比を守り抜く一方で、限定シリーズを発売したこともあるそう。商品化の経緯や気になる売れ行きを聞いてみました。
「お茶づけというと、お酒の〆や深夜の軽食をイメージする方も多いかと思いますが、食欲のない朝や忙しい日の昼食など、じつは朝や昼の需要のほうが高いんです。これは我々としても驚きの結果でした。
すべての画像を見る(全7枚)お声をいただいてから、『これはいける!』と、ショウガやカテキンを含んだ朝専用のお茶づけも何度か発売したのですが、やはり売れ行きは王道の味に到底及ばないんです…。我々としてもやっぱり勝てないんだなぁ、と納得(笑)。棚に並んでいるとき、やっぱりお客さまの手は“定番の味”に伸びるんですよね」
永谷園では、ユーザーのニーズをキャッチアップできるよう、頻繁にアンケートを実施しているそうですが、そんなお客さんの声をヒントにはじまった企画が「めざまし茶づけ」というもの。朝食欠食率の高さが問題視される今、子どもと保護者をサポートする新しい朝食のかたちとして注目を集めているそうです。
「バタバタと忙しい朝でも、お茶づけであれば手間もかからず時短でおなかを満たせます。そのまま召し上がられている方が多いと思いますが、コーンやチーズ、ツナ缶など、冷蔵庫の食材でアレンジして食べることができるのも大きな魅力です。
意外かもしれませんが、『お茶づけ海苔』に温めた牛乳をかけてもクリーミーな味わいになっておいしんですよ。あとはトマトとアボカドをオリーブオイルであえて、お茶づけの上にのせればサラダ風に食べられますし、アレンジは無限大。栄養もちょいたしすることができ、朝が苦手なお子さんでも、おいしくササっと食べれるのでおすすめです」
ほかにも、親子イベントや学校での出張授業など行い、「女性や小さな子どもにもお茶づけを届けたい」という創業者の想いが令和にまで受け継がれています。
厳しい戦後の時代に生まれ、いまや日本人に欠かせない即席食品となった永谷園のお茶づけ。ごはんに熱いお湯を注ぐだけですぐできる手軽さ、どこかホッとする和の味、そしてずっと変わらないおいしさ。守り抜かれる定番の味は、これからも私たちの心と胃袋を温め続けてくれるでしょう。