日本では大人の夏休みの期間と言えばお盆前後の4日間ほどですが、海外ではバカンスで長い休みを取る方も。フランス生活文化研究・翻訳者のペレ信子さんがフランスのバカンスについて教えてくれました。

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フランス人の夏休み「バカンス」の過ごし方

バカンス
フランス人はどうやってバカンスを過ごしているのか
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バカンス大国のフランス。今回は、フランス人がどうやって夏休みを過ごしているのか紹介します。

大人になっても夏休みという言葉を聞くとウキウキしますが、フランス人も「Vacances(バカンス:休暇)」と聞くとウキウキするのは同じです。青い空、海、山、そしてゆっくりとした時間。夏休みと聞いて思い描くイメージは似ていても、その楽しみ方はフランスと日本で少し違うようです。

●フランス人の有給は1年で「5週間」

スペイン

 
よく知られていることですが、フランス人のバカンスは長いです。法律で定められている有給休暇は1年になんと5週間!(勤続年数や手当などでもっと長い人もいます)
この贅沢にも思える5週間の一般的な使い方は、夏休みに3週間、クリスマスから年末にかけて1週間。スキーが好きな人は2月の学校の冬休みに合わせて1週間。スキーに行かない人は春のイースターの休みに1週間という感じです。私たち日本人の大人にとって、夏休みはお盆期間の数日という感覚だと言うと、フランスでは「信じられない」という表情をされます。
そのうえ、フランスでは病気のときは有給を使うことなく休めるのです。だから病欠のために有給を取っておく必要もありません。その反面、日本よりも祝日が少ないと言う事実もあります。

●だれもが3週間ほど夏休みを取るから大丈夫

海


1週間はまだいいとして、3週間も休んでしまって会社は大丈夫なのでしょうか? これは大丈夫と言うよりも、大丈夫にさせているという感じです。
私がフランスで会社員をしていたとき、ほかの同僚と同じく夏休みを3週間取っていました。私の業務は代わりの人がいない業務(日本語とフランス語の社内通訳)だったので、当然3週間その業務はストップしました。それでは会社は困ると思う方は多いでしょうが、実際は通訳が必要な上司のバカンスに合わせて休んでいたので、そんなに困る人は社内にいなかったのです。営業など外部とコンタクトを取る業務の人が休んでも「〇〇さんはお休みです。3週間後に帰ってきます」と答えるだけでOK。だれもが3週間ほど夏休みを取るので、「仕方ないなあ」と納得してくれます。
人のバカンスを認めるのは、裏を返せば自分もバカンスが取れると言うことなのでしょう。