●大好きな「福神漬け」を手づくりしようと思い立ち…
このラッキョウ事件をきっかけに、私の「季節の手仕事」が始まったといっても過言ではありません。梅仕事にみそづくり。新ショウガの甘酢漬けやユズコショウ。発酵ショウガなどなど。季節に応じてつくっては冷蔵庫に常備する楽しみは年々増えています。なのに…。
今までなぜか自家製にしなかった一品があります。カレーのお供として欠くことのできない一品。ラッキョウはお手製に目覚めたというのに。ときにはスプーン1杯ですまないほど好物の一品。そう「福神漬け」です。
いつもスーパーで、数種類置いてある福神漬けの中から、なるべく赤過ぎず野菜の素材感がわかるものを選ぶように努めてきましたが自家製に至ることはありませんでした。
ところがある日、突然に「そうだ! 福神漬けをつくろう!」と思い立ちキッチンへ。ところが果たして福神漬けの正体はなんなのか。意外と材料がわからないことに驚きました。大根とキュウリ、レンコンも入っていたような。あとなんだか細長く黒っぽいなにかが入っていたはず。ムンクの叫びのような形をしたなにか。
昆布に似たような、でも昆布ではないなにか。いやいや考えてみると、なぜ私は今までなにも疑わず福神漬けの中のそれを、当たり前のように食してきたのだろうか。便利な世の中にあって、その正体はネット上にすぐ見つけることができました。
「刀豆(なたまめ)」
これがまた想像以上に大きく、私の予想とはまったく形であったことにも驚きました。幼き日に福神漬けを口にしてから50年以上の年月を経て、初めて知った衝撃の事実でした。この世の中、まだまだ知っているようで知らないことにあふれているであろうことを教えてくれた福神漬け。
●冷蔵庫にあるもので意外と簡単においしくできた!
自家製用に刀豆をそろえることはできませんでしたが、福神漬けの定義は「大根、ナス、ウリ、キュウリ、ショウガ、ナメタケ、レンコン、シソ、タケノコ、シイタケ」などから5種類以上を主原料としたものだそうです。
すべての画像を見る(全7枚)幸い冷蔵庫に余っていた大根、キュウリ、レンコン、ショウガ、ナスで十分おいしい自家製福神漬けが完成。味つけはしょうゆ、日本酒、みりんに黒糖で少し甘みをたしました。
ちなみに、ショウガは自家製の発酵ショウガ(すったショウガや、刻んだショウガをビン詰めして1か月醗酵させたもの)を活用。
コクが出ておいしいんです。
この福神漬け、ポテトサラダに混ぜてもおいしく、最近のお気に入りです。
諸説あるそうですが、多種の野菜を使うことから七福神の神様に見立てて命名されたという縁起のよい福神漬け。冷凍保存もできてしまう優れものですので、ぜひお試しくださいね。