●出る杭をわざわざ打ちに来る人はもういない
もうひとつ、私にとって帽子は自分の個性を演出するためのアイテムです。基本的にコンサバな服が好きなので、奇をてらったデザインの服を着ることはありません。でも、ベーシックな装いに個性的な帽子をひとつプラスするだけで、
「ん?ヘンな帽子をかぶってる!」
って、すれ違う人たちが振り返る。
「ヘンな帽子」と思われたら大成功! 私にとっては最高の褒め言葉です。「出る杭は打たれる」という言葉もありますが、70代にもなれば、もはやだれかがわざわざ杭を打ちに来ることもありません。だから、毎日、鏡の前でにらめっこ。
「今日は、どんな帽子がいいかしら?」って。
すべての画像を見る(全3枚)西さんにとっての初めてのフォトエッセイとなる『Life Closet 服と共に生き、服と共に笑う』は扶桑社より発売中。ファッションにまつわる哲学を、これまでの人生エピソードとともに語っています。