志麻さんの「家族が喜ぶ夏ごはん」。漬け込むだけで肉も野菜もぐんとおいしく
すべての画像を見る(全15枚)今週はきっと忙しくなるのがわかった時点でマリネを仕込む、という志麻さん。なぜならそのおいしさは、時間が決め手だから。
「まずはしっかり下味をつけ、仕上げは焼くだけにする。あるいは揚げてコクを出してから、漬け込む。つくりおきと、似ているようで少し違うのは、時間をおくことで味わいが増していくこと。つくる理由に、『おいしい!』がいちばんにあること。なによりそれが、私好みなのです」
●マリネは3パターン
「マリネ」と一言で言っても、つくり方はさまざま。3パターンのつくり方をご紹介します。
・フレッシュをマリネする
刺身用の新鮮な魚やフレッシュな野菜は、サラダの延長のように、塩、コショウ、酢、オイルなどであえるだけ。素材の傷みが早い暑い時季は、鮮度のいいうちにさっとマリネしておくと、味わいキープ&おいしさもアップ!
・焼くor揚げてからマリネする
素材をソテー、または揚げ焼きにしてから、調味料に漬け込んで。素材がまとう油のコクがマリネ液と合わさり、時間がたつほど一体感が生まれます。ほぼ完成させて冷蔵庫に入れられるので、志麻さんも忙しい日の前日によく仕込んでいるそう。
・マリネして焼く
肉や魚をマリネ液に漬け、味をしみ込ませてから加熱。「どうせ味の濃いマリネ液に漬け込むから」といって、下味の塩、コショウは省略しないこと。まず下味でうま味を引き出し、それからマリネするのがおいしさの秘訣。
●基本のマリネの味つけ
基本のマリネの味つけは、塩、コショウの下味にレモンなどの酸味をたし、そこに仕上げのオイルをひと回し。
「マリネをおいしくする要素は、塩け、酸味、オイルのまろやかさ。この3つがそろっていれば、難しく考えなくても大丈夫。ちゃんとおいしく仕上がるので、気軽に試してみてください」
酸味は酢とレモンを気分で替えたり、オリーブオイルをゴマ油にして中華風に仕上げたり。塩気をみそやナンプラーに替えれば、和風にもエスニックにも。自分好みの味をいろいろと試してみるのもおすすめです。
●ふんわり甘くやわらかな「ポークジンジャーマリネ」
明日は忙しいけれど、今日は少しだけ余裕がある…。そんなときに志麻さんが仕込むというのが、「ポークジンジャーマリネ」。とんかつ用の厚めの豚肉を使った、ごちそう感あるショウガ焼きです。
リンゴとショウガ、ニンニクをしょうゆ、みりんと一緒にフードプロセッサーでペースト状にしたマリネ液に漬け込めば、酵素の効果でお肉はしっとりやわらか。漬け時間は30分ほどでもいいのですが、できればひと晩じっくりと。
食べるときは、フライパンで焼き目をつけたらソースと一緒に蒸し焼きに。疲れて帰ってきた夕方、さっと焼くだけででき上がるこのおいしいひと皿があると思うと、昨日の自分に感謝です。
●できたても、なじんだ頃も格別な「トマトマリネ」
初夏から一斉に出回るトマト。ついたくさん買い込んで、気づいたら野菜室でしなしなに…なんて経験、ありませんか?
「旬のトマトはもちろんそのままでもおいしいのですが、少し手をかけると、おいしさが長もちするうえに、実に役立つ常備菜になります」と志麻さんは言います。
塩、コショウ、オリーブオイルだけでも十分ですが、今回はそこにタマネギのシャキシャキ感とパセリのさわやかな香りをプラス。色鮮やかなサラダにも、フレッシュなソース代わりにもなる、夏にうれしいひと皿に仕上がります。
ゆでたそうめんとあえたり、ソテーした豚肉や鶏肉につけ合わせ兼ソースとして添えたりするのもおすすめです。