来客時にあわてない、気を使わない
すべての画像を見る(全7枚)血筋なのでしょうか、夫の家族もやはり朝型人間。早朝から夫の家族がわが家に遊びに来ることがあります。筆者は、そのときはまだ夢の中。
もしリビング階段だったら…。起きるのが遅い筆者は、寝ぐせでボサボサですっぴん、歯磨きもしてない状態で、夫の家族の前を通らなければいけません。
それを想像すると、リビングを通ることなく、2階寝室から直接、1階の洗面所や浴室に行ける間取りにしておいて、助かりました。
一方で、筆者の友人が訪ねてきた際にも、メリットを感じています。筆者は、自分の2階の個室に友人を招くことにしています。リビングで夫がパジャマで昼寝していたとしても、問題なし。リビングを通らないので、お互い気を使うこともありません。
コロナの隔離生活がやりやすかった
去年、夫がコロナに感染したとき、家庭内で隔離生活をすることになりました。その際、夫は2階の寝室と2階トイレ、1階の洗面所と浴室以外は、出入りを禁止に。当然、リビングもNGです。
リビング階段でない間取りにしていたおかげで、隔離自体は、やりやすかったです。夫婦が接触する機会も、最低限に抑えることができました。
ちなみに、わが家のリビング出入り口の扉には、ガラス窓があります。ガラス越しに階段が見えるつくりなので、体調を崩した夫の様子を、ここからも伺えました。
流行りの間取りではなく、自分達の暮らしを重視
今どきは、リビング階段がスタンダード。家を建てる前は、そう思い込んでいました。完成事例やSNSを見ていると、どうしても、そんな錯覚をしてしまいそうです(もちろん、本当にリビング階段がふさわしいライフスタイルの方がいることも事実です)。
しかし、本当にそれでよいのだろうか…。筆者はじっくり、自分たち家族の生活パターンや理想の暮らしを想像しました。
朝から晩までどんな流れで生活するのか。どんな動線で家の中を移動するのか。いつもする料理は、お客さんが来たときは…。
家づくりの際に筆者は、こうしたことを紙に書き出していきました。おかげで、「生活リズムが違う夫に気を使うことになるかも」「来客が多いから、あわてることになりそう」「料理した魚のにおいが、2階に届くかも」…と見えてきたものがたくさんありました。
その時点ではっきりと、「リビング階段は自分に向かない」と意識するに至ったのです。
得られる情報が多いと、かえって本当に自分の暮らしにあったものが見つけにくいもの。今回、選択した階段プランが正解だったなと思えるのは、改めて自分に向き合って、「必要なもの」に気づけたから。そんなふうに、筆者は感じています。