奥行きたったの30cm。そんなパントリーでも、予想を上回る活躍をしてくれます。3年前に家づくりをすることになった日刊住まいライター。新居には絶対にパントリーを、と希望するも、間取りの作成段階で、独立型のパントリーがつくれないことが判明。そこで設計者と相談、奥行きの浅いオープンなパントリーを実現させました。このスペースの誕生秘話と、パントリーの使い勝手について語ります。

ワークスペースとしても使えるパントリー
奥行きわずか30cmながら、収納力は十分。ワークスペースとしても使えるパントリー
すべての画像を見る(全8枚)

奥行き30cmのスペースを無理やりつくってパントリーに

3年前に、工務店で家づくりをしたわが家(家族構成は筆者と夫)。できあがったキッチンは、広さが約6畳です。キッチン背面のカップボードから、キッチンカウンターまでの通路幅は、120cmあります。

窮屈とは言えませんが、独立型のパントリーをつくるゆとりはありませんでした。理由は、キッチンの横(オープンなパントリーの向こう側)に4.5畳の和室をつくりたかったから。

 

修正前の図面

こちらは、当初予定していたキッチン付近の間取りの様子です。和室のせいで、キッチンスペースが圧迫されているのがわかります。

なんとかパントリーをつくりたい。どこかにすき間はないだろうか?

この間取り図を見つめ続けて、ひらめきました。和室を規格サイズより少し小さくしたら、パントリー分の奥行きが生まれるのではないかと。

工務店に確認すると、可能との返事。

 

変更後の間取り

変更後の間取り(つまり、実際のわが家の様子)がこちらです。キッチンと和室を隔てる壁の一部(横幅170cmほど)を、30cmズラしました。和室を削って、キッチンを広げています。

新たに生まれたこのスペースこそが、パントリーのためのものです。余談ですが、この変更のついでに、勝手口も加えることにしました。

 

奥行き30cmでも、置けなくて困らないことはない

パントリーの棚の様子

以前暮らしていたアパートでは、調理家電(ホットプレート、ミキサーなど)の置き場に困っていました。これが、パントリーを希望したひとつの理由でもあります。

現在、筆者がパントリーに置いているのは、おもに以下のようなものです。

・調理家電
・食器棚に入りきらなかった食器
・キッチン下収納に入りきらなかった鍋
・おたまやフライ返しなどのキッチンツール
・水などのストック
・食品類(調味料、お菓子、米びつ、梅シロップ、犬のエサなど)

 

パントリーに並ぶ収納ボックス

棚は可動式になっていて、設置場所を変えられます。

筆者は、同じ収納ボックスを複数使って、すっきり見せる工夫を。こまごましたものは、ボックスの中にざっくりと放り込んでおけばいい仕組みにしています。たとえば、食器を丁寧に重ねたり、まとめたりする手間は、省けるようにしました。

 

ワークスペース

下の段は、キッチンでパソコン作業するときのデスクも兼ねています。キッチンはなにかと時間を過ごすことが多いので、この仕組みは非常に便利!

3年ほど使って、いろいろなものを収納して思ったのは、「筆者の場合、キッチンに収納するものは、そこまで奥行きを必要としないものが多い」ということです。

奥行き30cmで「これを置くのに、奥行きがたりない〜」と困ったのは炊飯器くらい(ただ、炊飯器は使用中に蒸気が出るので、パントリーに置き続けるか検討中)。それ以外は、この浅い奥行きでも困ることなく使えています。