毎年多くの人がアレルギーを引き起こすスギ花粉は、早ければ2月から飛び始めることも。花粉症に悩まされる人にとっては、少しでも避けたいものです。
ここでは日本ヘルスケアクリーニング協会代表理事の松本忠男先生に、花粉を広げないための掃除術を教えてもらいました。
花粉は侵入口でブロック! 除去するときは水を使って
「外出時に衣服についた花粉は、家のなかに持ち込まないようにすることが大事です」と、松本先生。
「花粉はホコリよりも小さくて軽いため、舞い上がりやすいのが特徴。家の奥に侵入してしまうと、人が動くだけで舞い上がってしまうことが。玄関や窓など、花粉が侵入してくる場所でしっかりブロックし、正しいやり方で掃除をすれば、家の中で花粉に苦しむことは少なくなりますよ」
花粉は軽いので、パタパタとはたいたり、勢いよく掃除機をかけたりするとすぐに舞い上がってしまいます。空中に浮遊しているものを除去するときは、水分を含ませて。重みで床に落ちたところをそっとふき取るのがポイントです。
●空気中に水をスプレー! 床に落ちた花粉を除去する
玄関には、上着を脱いだときなどに舞い上がった花粉が浮遊しているそう。
「この時期は上着を部屋の中に持ち込まず、玄関の近くにかけられるようにするといいでしょう。玄関には水をスプレーして花粉を床に落とし、乾いたマイクロファイバークロスで床をペタペタと押さえるようにしてふき取ります」
これでひとまず玄関はブロック。
ですが、すでに花粉が家の中に侵入している場合は、床ではなく壁を掃除するのがポイントだそう。
「花粉は舞い上がりやすいので、床ではなく壁に付着します。水を軽くスプレーして湿らせたハンディーワイパーで、壁のホコリを上から下に向かってペタペタと押さえるようにふきましょう。速く動くと花粉を舞い上がらせてしまうので、ゆっくり動くように心がけて」
ここまでで、玄関から侵入した場合は花粉の対策ができました。次は、窓から侵入した場合の掃除方法です。
●おうちでつくれるスライムで、たまった花粉を根こそぎキャッチ!
まずはカーテンレールの上にたまったホコリの掃除からです。
「花粉はホコリの中に混ざっています。窓際にあるカーテンレールの上のホコリは、花粉が潜む絶好の場所。ここのホコリを根こそぎ除去しましょう」
ここで登場するのが、松本式掃除グッズの「スライムローラー」。身近な材料ですぐにつくれます。
【材料】
・洗濯のり 大さじ1
・重曹 耳かき5杯分
・ホウ酸 3g
・水 150ml
【つくり方】
(1)洗濯のり、重曹、水小さじ1(分量外)をすり鉢で混ぜる。
(2)ホウ酸と水を混ぜてホウ酸水をつくり、3mlを(1)に入れ、たたくようにして混ぜる。
(3)スライム状になったものをペンキローラーに塗りつける。粘りがたりない場合は(2)のホウ酸水を様子を見ながらたす。
家にあるもので、あっという間にできます! 粉末のホウ酸は、ドラッグストアや薬局で売っていることが多いので、探してみてくださいね。
この手づくりスライムローラーが大活躍します。
「カーテンレールの上や出窓など高いところを、ホコリを舞い上げないよう、ゆっくり転がしてみてください。根こそぎ取れますよ!」
続いて、もっとも花粉が付着している網戸へ。
「リビングの窓は、花粉の入り口のひとつです。網戸の上から下に向かってスライムローラーをゆっくり転がせば、簡単に掃除ができるうえに花粉の飛び散りも防げます」
最後の仕上げはカーペットやマット。
「カーペットやマットはホコリや花粉のたまるアイテムなので、不要ならば置かない方がよいです。どうしても置きたい場合は、掃除機を使って掃除しましょう。掃除機のヘッドを当て、秒速20cmほどのスピードでゆっくりとかけて。前方に動かすときより、後方に引いたときに繊維の根元にたまった花粉を吸引できます」
繰り返し教えていただいたのは、「ゆっくり動く」ということ。
「花粉はもちろん、ホコリも軽くて舞いやすいもの。掃除をする際はバタバタと動かずに、静かに、ゆっくりとした動作で行ってみてください」
ESSE3月号の特集、「健康になれる新・掃除術」では、花粉のほかにインフルエンザ、ノロウイルスを対策できる掃除術を教えてもらいました。健康を守るには、正しい掃除のやり方を知ることが大事。ぜひチェックを。