●地球に還るシャンプーとは…?
すべての画像を見る(全9枚)南大隅町の特産であるパッションフルーツから抽出した蒸留水をベースに、井浦さんが香りをブレンドした精油や植物エキスなどを入れ、すべてが地球に還る成分でできています。
原料に使用するパッションフルーツとタンカンは傷や成熟不良で流通にのらなかった「規格外」のものを使用して、農家の方への支援につなげています。製造の際に出る植物や果実の残渣(抽出後に残った皮などの部分)は、粉砕して養鶏場の餌や畑の土壌改良のための肥料になっているそうです。
さらに、容器はリサイクル効率が高く、リサイクルエネルギーがプラスチックより低いアルミ製を使用するなど、みごとなまでにすべてが“クルクル”と循環する仕組みになっていました。
●働く人の環境づくりも意識
さらに私が感銘を受けたのは、工場で働いているのはほとんどが女性で、子育てと両立できるよう終業は午後4時ということです。女性が家庭と両立しながら、無理なく社会と関われる場所があるのは貴重です。
また、原料の果実の加工の一部の作業は障がい者施設に委託しています。
こうして生まれたヘアケアブランドKruhi(クルヒ)は、ジェンダーフリー・ジェネレーションフリー・着色料フリーで、女性はもちろん男性にも、生まれたての赤ちゃんからお年寄りにも、ワンちゃんにも! 肌につけても、なめても安全だそう。働く人も、使う人もハッピーになってほしい、そんな誠実な思いが伝わってきます。
●「欲しいからつくる」のではなく循環する仕組みを大切にしたい
ブランド名の「クルヒ」は、大和言葉の「明日」「いつか来る未来」からとったそうです。暗闇から抜けて一筋の光が差すように…という願いが込められています。
「欲しいからつくる、をくり返しているとムダが多くなる。すべてを循環させる形を見出すことに、楽しさがある。入口から出口に関わるすべての人たちが幸せになれる未来がいい」と語った井浦さん。
今回取材して、毎日使うものだからこそいつもの習慣を見つめ直し、人間にも生態系にも優しい選択を考えることが大事だと改めて感じました。
▶井浦新さんを取材した『フューチャーランナーズ』はこちらから
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