部屋名にとらわれず「なにをするのか?」を考えて

寝室を折れ戸で仕切れるようにして、1部屋にも2部屋できるアイデア。一見、名案に思えますが、音漏れ問題でまさかの事態に! ではどうすればよかったのでしょう。一級建築士・大島健二さんが詳しく解説してくれました。

夫婦ふたりの間取り
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●一級建築士・大島さんのアドバイス

老後の住まいや高齢の親と同居する住まいとしての平屋は、バリアフリーなどの観点からしても賢明な判断です。

しかし、平屋は部屋同士がすべて同じ階にあるため、2階建てのように個室の独立性(プライバシーや音)を確保するには、慎重にプランニングをする必要があります。

また、若い頃は「夫婦は同じ部屋で寝る」ことが当たり前で、そうでなければ「仲が悪いのでは?」といった世間体を気にしますが、子育てが終わったならば、そこからもまだまだ長い人生、夫婦それぞれの価値観を尊重した住まいにしてもいいのではないでしょうか。

長電話がしたければ長電話ができる部屋、大音量でテレビを見たければそのように部屋をつくるべきです。「寝室」という言葉を独り歩きさせずに、「なにをするのか?」という動詞で考え、音に関しては遮音(石膏ボード2枚貼り)、吸音(カーテンやカーペット)、拡散(平坦ではない壁や天井、家具の配置)に気を配りましょう。

●教えてくれた人:大島健二さん
一級建築士。OCM一級建築士事務所主宰。住宅から商業施設まで、和・洋・中の概念を超えたデザイン性の高い空間を提案している。『家づくり解剖図鑑』『建てずに死ねるか!建築家住宅』『下町の名建築さんぽ』など著書も多い

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