家族の朝食と娘さんのお弁当を毎日写真に収め、インスタグラムに投稿していた料理研究家の飛田和緒さん。

3年分の投稿記録と記憶を1冊にまとめた新著『おいしい朝の記憶』(扶桑社刊)が、先日発売されたばかり。朝食やお弁当づくりへの想い、そして時間に追われながらも続けてこられた秘訣を教えてもらいました。

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飛田先生
お弁当づくりで台所に向かう料理家の飛田和緒さん
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家族のためにつくってきたお弁当、朝ごはん。母として、妻としての思い

――この本では、娘さんのお弁当とご主人の朝ごはん弁当にスポットが当てられています。朝は時間もないしめんどうだからつくらない、なんていう方も多いなか、飛田さんにとって手づくりの「朝ごはん」と「お弁当」はどんな位置づけだったのでしょうか。

飛田 わが家は、家族全員が朝からがっつり食べるタイプ。なにか食べないと目覚められない、動けない体質なんですよね。だから、朝食は必須でしっかりつくって、しっかり食べることを心がけていました。娘のお弁当はというと、彼女が高校生になったあたりに、「コンビニや駅の売店で買ってもいいよ」なんて言ってくれたりもしたんですけれど、成長期ですし、朝食と昼食はせめて多少は栄養バランスも考えた私の手づくりごはんを食べてほしいなと思って続けてきました。どちらも大切な存在です。

――朝食とお弁当を大切にする暮らし、とてもすてきだと思います。…でも、多くのお母さんにとって、毎日しっかり朝食やお弁当をつくるってすごく大変なことですよね。さらにSNSの影響で、ゴージャスな料理を見て肩身の狭い思いをするお母さんも多いとか。先生は逆に、「料理研究家のお母さんがつくるお弁当」にプレッシャーはありませんでしたか?

飛田 ありました! 最初は、私の仕事を知った娘の友だちのお母さま方から、「どんなお弁当なんですか?」って質問されまくりました。私が「いえいえ、普通です。料理家だからってゴージャスなお弁当なんてことはまったくないんです」と答えても、あまり伝わらなくて。でも、実際に娘のお弁当を見たお友だちから「本当に普通だったよ」と聞いてやっと納得してもらったみたいです(笑)。インスタや本の写真を見ていただけるとわかると思いますが、本当に普通なんです。