リノベーションでこだわった7つのこと
スタジオを併設したYさんの住まいは間仕切りを減らした大空間が特徴的。それを実現させた工夫をご紹介。
1.スタジオを兼ねるリビング南側
すべての画像を見る(全27枚)床がフローリングからフレキシブルボードに切り替えられたスペースは、以前はキッチンがあったフォトスタジオ。左手にある水回りにつながる引き戸に取っ手などがないのは、撮影時に写り込ませない工夫なのだそう。
2.いちばん明るい場所に位置するキッチン
家の中で、もっとも日当たりがいい場所を占めるのがキッチンです。「家の隅じゃなくて、日当たりのいい中心にしてもらいました」と妻。来客がカウンターとして使えるよう、角部分の下が空洞になっています。
3.家事に効率的な回遊動線
玄関の前に洗面・浴室などの水回りを収めたコアを配置。中心の通路はLDKへの動線を確保しています。階段をくぐる日常の動線とともに行き止まりのない回遊動線を実現。家事効率もアップしたと妻にも好評です。
4.ワンルームを実現した軽量化と耐震補強
光をさえぎっていた既存の間仕切りを撤去して1階をワンルームにするために、瓦からガルバリウム鋼板に変更して建物上部を軽量化。
さらに、壁内に耐震補強を施しています。表しになった柱は新規に入れ替えています。
5.建主のアイデアで階段位置を逆に
壁や床を撤去したときに、夫のひらめきで階段を既存とは逆向きにすることに。「LDKへの動線の確保や、間仕切り壁を建てずにすんだこと、危険な急傾斜の階段など、問題解決の突破口になりました」と岡山さん。
6.ガラスの床で光を階下に落とす工夫
1階のフォトスタジオスペースにトップからの光を取り込むため、2階主寝室の床の一部にガラスを用いています。
2階の窓からの光がダイレクトに取り込めるうえ、シンボリックな空間のアクセントにもなっています。
7.家族+αが使うことを考えたワークスペース
玄関右手のワークスペースは、長女の勉強机であるとともに家族全員で使うスタディスペース。将来的にはギャラリーとして使う計画も。構造合板の広い壁面に大きな可能性が広がります。
間取り図(リノベーション前後)と外観
●間取り図
リノベーション前
リノベーション後
既存内装の解体が進み、スケルトン状態の建物を生かして開催された夫の写真展の様子。「階段の向きを逆にすることを思いついたのはこの頃でした」と夫。
リノベーション前は、日の当たる西側の和室とダイニングキッチンが壁で仕切られていたため、全体に暗く狭い印象です。
●外観
引き戸に変更した玄関扉が特徴的な外観。「知人の作家につくってもらった玄関扉がとても気に入っていて、毎日の出入りのたびに見とれてます」と妻。
「植物を植えて楽しめる庭があることがうれしい」と夫。来客の通り道となる庭だけに、植栽計画にも力が入ります。